活動実績報告


森林整備研修会[9月21日 森づくり部会]
  市民の森で森林作業の基礎技術をみがきませんか?

対象: 会員および一般   場所: 市民の森(吉田山) ひのき林周辺
  参加人員  一般  6名 / 会員 10名(うちスタッフ7名)
  あいにくの雨のため、午前中のみの作業となった。
  [一般]立木(りゅうぼく)の伐倒(ばっとう)体験(マンツーマン)
  [会員]スキルアップ研修 突っ込み切りによる材を傷めにくい伐倒方法
  

参加者の声

一般参加 茅野市在住 近藤日佐子

『森林整備研修会参加者募集』の文字が目に飛び込んできた。内容は「間伐の基礎講座」とある。
さすが市の総面積の76%を森林が占める茅野市の催し物だ!参加したい!しかし、チェーンソー
はストーブの燃料としての薪作りで使った程度の全くの初心者だ。どうしよう・・・悩んだ末、勇気を
持って申し込んだ。

主催者の八ヶ岳森林文化の会会員10名が、参加者である一般市民の私たち6人に1人ずつ指導者
としてついた。 私の担当・矢崎さんは、同じ女性として実に的確に分かりやすく指導をして下さった。
雨のため半日コースになってしまったことが残念であったが、技術的にも体力的にも根気がいり、
森林ともっと親しくならなければならないことが分かった。

4年前まで住んでいたコンクリートジャングルの街での森づくりに関する催し物だと'ドングリ拾い'
'ポット苗づくり'  '苗木の植樹' ' 育樹' 等となり、私自身そういった森づくりボランティアに
参加したことがあった。 全否定をするものではないが、今思えば「森づくりごっこ」であったよう
に思う。 蓼科に移り住み、それまでの非日常の世界が日常になり、森林が身近なものになった。

蓼科での初めての晩秋、道一面をカラマツの落葉が覆い、赤い絨毯を敷きつめたようになった上を
夢見心地で散歩をした。 しかし良く観察をすると、密集し栄養失調でヒョロヒョロと背丈だけ伸びた
木々たちがそこにいた。東京の通勤時間帯の満員電車に乗っている自分を思い出し、窮屈な思い
をしているカラマツが可哀想に思えてきた。 地元のかなり高齢な一人の男性が里山の落ち葉を
軽トラックに積み、何回も畑に運んで越冬の準備をしている姿を見た。農家にとって里山は生活の
ためのものであり、森林と共に暮らしてきた日本人の健全な姿がそこにはあった。しかしそこには
高齢者の姿しかない。日本の国土は約67%が森林であり、まさに森林の国であるにも拘らず木材
の自給率は約20%だという。自国の森林を不健康な状態に陥れ、何ら対策を講じず外材を大量に
輸入してきた森林の国・日本。今、健康な森林を取り戻す最後のチャンスかもしれない。
市民の森・吉田山は里山としての位置づけと聞く。農家の生活林という里山のスタイルは破綻して
いく一方であるから当然整備が必要となってくる。市民の森として、どのようなコンセプトをもって
吉田山を健康体にしていくのか、会員数は多いと聞くが実際に活動をしている人は少ないように
思った。里山林の整備は急がなければならない段階にきていると思う。

「八ヶ岳森林文化の会」の活動に心から期待をし、もっと多くの茅野市民が参加することを切望する。
里山の元気は茅野市の、そして日本の元気につながるはずである。

2008.9.21