活動実績報告


八ヶ岳山麓日帰り観察学習会[8月23日 森林観察学習部会]

対象: 会員、及び一般市民   場所: 八ヶ岳山麓
内容:

  午前  カラマツ林再生に向けた企業の取り組み現場学習会
鉢巻道路周辺での間伐、植樹活動状況の見学
あと現地での質問、意見交換
講師  諏訪地方事務所林務課、保科健氏
  午後  西岳山麓における絶滅危惧種、ヤツガタケトウヒ群落現地探訪
富士見高原ゴルフ場駐車場に移動、ここから登山、行程、往復約5キロ
約2時間40分ほど

ダイジェスト

午前 <カラマツ林再生に向けた企業の取り組み現場学習会>

まず、長野県が推進している森林(もり)の里親促進事業の説明がありました。

あゆみの森で説明を聞く 長野県の森林を元気にするため、企業と力を合わせて森林整備を行う取り組みで、平成15年にスタートして、現在34社が参加している。

森(もり)の里親促進事業の仕組み
支援する企業 受け入れる市町村、団体
●森林整備の資金、労働力の提供
●企業のPR、従業員の福利厚生
 のための森林活用

契約締結
●企業との交流やPRの場の提供
●森林整備の実施
●NPO等との協働の仕組みづくり
●森林の整備
●地域住民との交流
●企業のPR

斡旋・情報提供
仲介(長野県)
斡旋・支援

「原村JOMOあゆみの森」は、里親促進事業の一つで、(株)ジャパンエナジーと原村との間で契約締結がなされ、現在活動が実施されている森です。
ここでの取り組みを説明頂き、実地を見学させて頂きました。
JOMOあゆみの森 あゆみの森を観察

(株)ジャパンエナジーは間伐を促進するため、間伐材を製紙原料にする仕組み(3.9ペーパー)のビジネスモデルを開発しました。紙を使うユーザーが間伐材の輸送コストを負担することで、国産の間伐材を製紙原料として活用できるようになります。
原村の間伐材はJOMO童話集「童話の花束」に使用されました。


帯状卓抜 ←左の写真
原村の村有林で帯状択抜を行い、搬出した材は3.9ペーパーとなりました。
跡地には広葉樹が植えられていました。
間伐状況を観察



午後 <西岳山麓における絶滅危惧種、ヤツガタケトウヒ群落現地探訪>

富士見町の西岳登山口から登り始め、しばらくの所にある2本のヤツガタケトウヒ(八ヶ岳唐檜)を観察しました。
ヤツガタケトウヒ(八ヶ岳唐檜) マツ科 トウヒ属

ヤツガタケトウヒ(八ヶ岳唐檜) 葉表
葉表
葉裏
葉裏
葉の付け根に葉枕(ようちん)が見られる。この葉枕がトウヒ属の特徴で、さらに、ヤツガタケトウヒの葉の断面は平らでなく菱形ということだが、平らではないことは感じられるが、これは菱形か?判断は難しい。

さらに登り、林木遺伝資源保存林の看板に到着。さらに登り群生地へ。

看板 群落を目指しての登り 看板

ヤツガタケトウヒ 樹皮
樹皮
球果
球果
保護された幼木
保護された幼木

ヤツガタケトウヒには番号がふられており、ここは200本以上の群落のようだ。
網で囲われた中に、幼木が1本づつ保護されており、育てるのがいかに難しいか想像できました。

おまけ

下りる途中で、これも希少植物であるカイジンドウ(甲斐竜胆)を見ることができました。

カイジンドウ(甲斐竜胆) カイジンドウ(甲斐竜胆) シソ科キランソウ属

2009.8.23