飯山セラピー基地観察学習会[9月13日 森林観察学習部会]
対象: 会員、及び一般市民 場所:飯山なべくら高原
日程:
6:40 |
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市役所前を貸し切りバスで出発 |
9:30 |
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飯山、なべくら高原、森の家(0269-69-2888)到着。 説明会、森林セラピーとは、その他取り組み活動の聴取。 |
10:45 |
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「ぶなの里山小道」散策(1.2k 90分) |
12:15 |
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昼食(地元創作セラピー弁当) |
13:00 |
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関田峠方面へバス移動(20分) |
13:30 |
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「茶屋池コース」「ブナ林コース」の散策(2k 80分) |
14:50 |
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帰路 |
17:30 |
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帰着予定 |
幽玄な自然環境を医療効果に生かすセラピー療法で、先進的な活動を行っている飯山セラピー基地を訪れ、活動内容を学習すると共に、その基盤をなす雄大なブナ林など、飯山の素晴らしい自然環境を体験する観察学習会を企画しました。
束の間ながら日常の多忙から開放され、大自然の息吹きで英気を養うべく、リフレッシュしましょう。
ブナの漢字は環境依存文字のため、本ページでは「木無」と表記しました。
まず、なべくら高原 森の家で取り組み活動の説明をして頂きました。
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なべくらのブナ林 |
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国有林だけでも700haのブナの森が、里に近い所にある。 ブナ林の保水力→涸れることがない豊かな水→飯山のおいしい米 魚沼産コシヒカリに匹敵するおいしい米がとれる。 |
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夏場でも人が呼べる事業 |
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スキー場の不振で地元の新しい事業として体験型施設 森の家ができた。 里に近いブナ林を巡る回遊式 散策路。一番人気が巨木の森 森姫 森太郎で樹齢400年。
長野、新潟の2県にまたがる観光資源として信越トレイル。 |
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ブナを守る取り組み |
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巨木の森にあった4本の巨木のうち2本が倒れた。
幹の土を踏んだせいではないか?残った森姫 森太郎を守る取り組み。
見て「いいわね」という資源を次世代に残す取り組み。
「人を入れて大事さを知っていただく」という姿勢。 |
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森林浴、食、浴(温泉) |
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健康的な郷土料理を供し、食育を考えていただく。
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2班に分かれ午前は「ぶなの里山小道」を森林セラピー中心のガイドをして頂く。 |
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飯山は豪雪地帯。冬は、コテージの2階窓辺りまで雪に埋もれる。 |
ガイドのお二人 |
森の家のコテージ |
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森林セラピーのガイドの心構え
言葉を選ぶ。(禁句:勝ち負け、自然淘汰等)
説明し過ぎない。自然を感じてもらう。
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チシマザサ(千島笹)=ネマガリダケ(根曲竹) ネマガリダケにサバの水煮缶詰、じゃがいも、玉ねぎを入れたみそ汁がこの辺の郷土料理。
この地方ではネマガリダケが出るころはサバの水煮缶詰がたくさん売れる。 |
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ブナの葉 ブナの葉は葉脈が鋸歯の谷へ伸びるのが特徴。 葉がロート状になり幹に雨を集めやすい。
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ブナの幹 黒い筋は雨の流れた跡。 幹の周りは深さ50cmくらいの葉が堆積しスポンジ状。 樹齢200年の樹1本で一反歩の水を供給すると言われている。
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林床にたくさんのブナの実生の幼木。 |
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5、6年に一度ブナの実が大豊作になる。その次の年は熊が増える。餌が豊富で熊の食料事情が良くい年は流産しないため。 森は循環している。
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昼食はセラピー弁当 |
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セラピー弁当
・肉を避け、菜食中心
・「おらち」(俺の家)の畑で採れた材料
・郷土料理
じゃがいものなます、謙信ずし(笹ずし)など |
<笹ずしを食べるルール>
笹の根元を手前にし、下に捲りながら食べる。
そうすると笹で口を切らないし、最後に紅ショウガで口直しになる。 |
午後 バスで移動し「茶屋池コース」を散策する。
大神楽展望台で付近の眺望を楽しむ。鍋倉山、黒倉山は全山、ブナの純林。
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← 鍋倉山の写真の中央から左右で樹高(樹齢)が違うことが分かる。
右側が国有林 左側が民有林。 |
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鍋倉山 |
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黒倉山 |
「茶屋池コース」を歩く。
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茶屋池ハウス |
ブナの純林(95%がブナ) |
涸れたことのない茶屋池 |
尾根にでて信越トレイルを一部歩く。
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長野側国有林の管理者が設置した林境。県境でもある。 斜め左上が新潟になる。 |
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林境 |
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大きなヤマナメグジ |
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← 積雪6mにもなる豪雪地帯。 豪雪のため根元が坂下方向に押されて曲がる。それを繰返して生きてきた。 |
ここはポスターにもなるポイント |
苦節100(?)年 |
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観察した主な植物
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ユキツバキ(雪椿) |
クロモジ(黒文字) |
オオカメノキ(大亀の木) |
タムシバ(田虫葉)
ニオイコブシ(匂辛夷) |
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ガイドへの質疑
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開業にあたっての森林セラピーのガイドの教育は? |
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ガイドの立場(寄り添って話を聞いてあげる)、救急法、立ち位置、森林のこと、などなどの教育、 実践演習 を行った。 |
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森林セラピーのガイドの資格は? |
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市町村単位の認定制度があったが、森林セラピーソサエティの検定試験ができた。 |
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年間の利用者はどれくらい? |
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まだ数百人程度。自然治癒力を高める効果があり、ヨーロッパでは保険が効く国もあるくらい。今後の増加が見込める。 |
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森の家のスタッフは何人? |
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スタッフは10名。うち3名が森林セラピー案内人。そのほか市民インストラクター(地元のプロフェッショナル)が250名登録されている。 |
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一般参加 田中和江
山の事、森の事 何も知らずに初めて参加させて頂きましたが、皆さんと山を歩き とっても充実した楽しい時間でした。ありがとうございました。
一般参加 田中美喜子
今日は参加させていただいて、本当に良かったです。いろいろ勉強でき ありがとうございました。
森林観察学習部会 渡辺和代
森林セラピーを体験させて頂き、森の良さをまた一つ知ったような気がします。ぶなの林を吹き抜ける風の音が忘れられません。
森林観察学習部会 鎌野朝子
本当に良い企画に参加させて頂き、ありがとうございました。飯山市の地元の自然産物をいかした取り組み方のいろいろに感動しました。
案内される人にあわせて寄り添うセラピーのインストラクターは、人を教え、引っ張ってゆく従来のインストラクター ガイドより、いっそう大変だと思います。今までの案内方法にとりいれたい考え方でした。
一般参加 増木多津子
ブナの森と、お二人のインストラクター素晴らしかったです。又来たいです。
森林観察学習部会 中野昭彦
苦節何十年と言わんばかりに長い間豪雪に耐えて屈曲した幹と枝をさらしながら成長している「木無」の木、又太い幹で伸びたブナの木々、その自然に対応する力強さをなべくら高原のブナ林で教えられました。
日本で役立たずの木と言われるが、ヨーロッパではブナは森の女王と言われるとの事。その気高さと美しさには、深く感じるものがありました。
素晴らしい企画に参加できて感謝しています。ありがとうございました。
森づくり部会 加藤周児
ブナの純林には感動しました。
また 森林セラピー体験ではブナの木々の樹冠の間から空を見上げていると体が軽くなる瞬間があり驚きでした。
母なる森と言われるブナの純林を守ることに何か役に立てればと思います。
ブナがなぜ「木無」なんて「字」でしょうか?
一般参加 大口幸雄
初めて参加させていただきました。
きれいなブナ林の中を気持ちよく歩き すばらしい1日になりました。
森林観察学習部会 井村淳一
諏訪圏内の森ではあまり味えないブナを主とした森林内の散策は、カラ松を主とした森の散策とは異なる心の安らぎを感じるのは何故だろうか?
森太郎と森姫にも会いたかった。
森林観察学習部会 矢崎恵子
長野県で「木無」の森を散策する事ができるなんて、思ってもみなかったのに、飽きる程の「木無」、ぶな、ブナに会えた!
個性的な樹形は深い雪に柔軟に対応した結果のようだ。森林セラピーのインストラクターも訪れる人々の声なきニーズに寄り添い、臨機応変に対応していかねばならないのは「木無」と似ているかも。
私達も、森と人との関係を多面的にとらえ、学び、茅野の森林資源の活用を模索してゆきたい。
又、日本海側特有の植物(ユキツバキ、チシマザサなど)も観察できて良かったです。
森林観察学習部会 伊藤秋夫
森林セラピー療法の片鱗を体験出来、雄大なブナ林を堪能出来ました。アッと云う間の1日でしたが、有益な時間を過すことができ、スタッフの皆さんが真剣に取組んでいられる態度にも感動しました。
森づくり部会 定成寛司
あなたへの便り ― 平成21年9月13日
前略 いま19名の山仲間とマイクロバスの中にいます。信州飯山なべくら高原の「森林セラピー基地いいやま」という所に向かって走っています。
このイベントに参加したのは、どうも最近少しのことで腹が立つようになってしまいました。自己診断では、「老人性癇癪症」ではないかと思います。
雄大なブナ林の中で森林浴をすれば、少しは症状もやわらぐのではと期待しています。
昼食は、地元創作セラピー弁当が食べられるとのことで楽しみにしています。
そして帰りには、とよた飯山IC側の「とよた道の駅」に立寄る予定です。ここは笹寿司とグリーンアスパラが名物だそうです。
笹寿司といえば、鎌倉小町通り横丁にあった小さなお店を思い出しています。
車窓からの眺めは、もう秋の気配が濃くなっています。海は、もう秋。誰もいない海ですね。逗子海岸の朝の散歩は終わりましたか。ではまた
追伸 また食べ物の話かといわれるかもしれませんが書きます。
セラピー弁当というだけあって、地元野菜の酢の物、味噌和えなどなど、量も腹八分目におさえ、健康を考えてそのまた八分目。6.4分目の弁当でした。そして楽しみにしていた笹寿司は、「道の駅」には売っていませんでした。もっと北の方、飯山の市街地に行かなければと言われました。腹を立ててはいませんが、腹が減っています。
森づくり部会 後藤公男
私はある森の遊歩道作りに参加している関係で、今回の観察会を大変楽しみにしていまし
た。飯山なべくら高原森の家、インストラクターの話で、説明の押し付けはご法度と言う
のが印象的でした。コース内での10分のソロの時間に感じました。ぶな林のなかで上を
みていて、見えるのは風にゆれるぶなの梢と一羽の小鳥(ヤマガラ)、聞こえるのはブナ
の葉が風でさわさわと擦れ合う音と鳥の声でした。自然の中に嫌な物、音が何一つ無い、
これが癒しの源かと感じました。癒しの森に人が手を加えていいのは、『凹凸の無い弱者
でも歩ける優しい路面作りと必要最小限の標識』とブナの里山こみちを歩きながら感じま
した。