活動実績報告


八ヶ岳観察会 硫黄岳 [7月10日〜11日 森林観察部会]

〜八ヶ岳の地質、樹木、高山植物を知ろう〜

場  所 八ヶ岳 硫黄岳周辺

1日目 市役所集合
 (7:00)
→美濃戸口 →赤岳山荘
 (8:00)
→(北沢) →赤岳鉱泉
 (10:12)
(ジョーゴ沢)注
 (10:30)
→ 硫黄岳山荘
 (14:30)(14:50)
→横岳
 (15:40)
→台座の頭 →硫黄岳山荘(宿泊)
 (16:30)
注:下線部分は一般道ではありません。
2日目 硫黄岳山荘
  (6:00)
→硫黄岳
 (6:30)
→赤岩の頭 →赤岳山荘
 (10:50)
→美濃戸口
 (10:30)
→市役所解散
 (12:30)

講  師 野澤 仁三郎さん(森林観察学習部会)
内  容 ・地層、岩石を観察し、その成り立ちを学ぶ。
・植物を調べ、高山での植物分布を知る。
参加人数 13名(会員13名、一般参加0名)
今回初めて八ヶ岳観察会で一般参加者を募集しましたが、一般参加はありませんでした。
会内部では、ムードを盛り上げようと、事前に事務局だよりの特集として、講師の野澤さ んによる3回シリーズの資料を掲載する試みを行いました。 これにより、参加者の増加を期待しましたが講師もあわせて13名でしたが、和気あいあい、纏まった楽しい観察会になりました。
今回使用した登りのルートのジョーゴ沢は、以前、硫黄岳山荘への、荷揚げ、水汲み等に使用されていたとのことですが、現在は使 用者も少なく荒れていたため、多少苦労して登りました。 踏破してからの皆さんの感想は、通常できない体験ができたと好評でした。


ダイジェスト

全工程でたくさんの植物を観察しました。観察した植物は別ページにまとめました。
  八ヶ岳観察会(硫黄岳・横岳) 植物写真
第1日目

野澤さんから出発前に一言 さあ出発
20100710野澤さんから一言 20100710さあ出発

凝灰角礫岩

20100710岩石説明 20100710岩石説明 20100710凝灰角礫岩

凝灰角礫岩
火山岩塊が、火山灰、火山砂などとともに固まったもので、岩片の量が、岩石全体の半分に達しないものをいう。
岩片の量が半分以上におよぶ場合は、別に「火山角礫岩」の名称をつける。

柳川 北沢も梅雨時期なので水量は多い。 赤岳鉱泉の建物の向こうに、大同心
20100710柳川 20100710赤岳鉱泉

ジョーゴ沢の標識から沢に沿って登る。 F.1の滝(Fはフォール、番号は観察会地図に対応)
20100710ジョーゴ沢標識 20100710F1

F.2の滝 約13M F.3の右岸を登る。
20100710ジョーゴ沢沢1 20100710ジョーゴ沢沢2 20100710ジョーゴ沢沢3
↑滝の下部はナメ滝 溶岩でできた滝
えー、目的地はあの稜線!
20100710ジョーゴ沢沢4 20100710ジョーゴ沢沢5 20100710ジョーゴ沢沢6

F140.jpg 本沢と右俟出合付近 安山岩の転石

ジョーゴ沢 中流
単斜輝石かんらん石安山岩

F.4 ゴルジュ 難所(写真の右外側の滝)を前に、昼食。
20100710昼食 ゴルジュとは、川などの侵食によって、地下道のようになった深い沢。

F.4 ゴルジュ 火山角礫岩、凝灰集塊岩


足元の小さな花。シコタンソウ! 花びらに模様! 
右の写真をクリックしてアップを見て!
20100710シコタンソウ 20100710シコタンソウ
F.4ゴルジュより見る阿弥陀岳
20100710阿弥陀岳

助け合って難所2クリア 稜線が近づくのに励まされ 助け合って難所3クリア
20100710難所2 20100710目指す稜線 20100710難所3
苦労の後は、花々に迎えられる。
20100710コマクサ 20100710ミヤマシオガマ 20100710ウルップソウ
コマクサ(駒草) ミヤマシオガマ(深山塩窯) ウルップソウ(得撫草)
硫黄岳山荘近くの稜線にでました。大変でした。
20100710硫黄岳山荘近く

20100710紡錘型火山弾

紡錘型火山弾
火山が爆発して、マグマの一部がちぎれ流動性をもったまま、空中に飛ぶと、表面張力が自由にはたらいて、球形や、楕円形の紡錘形となる。(鰹節石)

横岳山頂を目指す。稜線はお花畑 詳細は八ヶ岳観察会(硫黄岳・横岳)  植物写真参照
20100710横岳 20100710お花畑

横岳(2,829m) 
横岳下部溶岩でできている。
20100710横岳山頂


今日はコマクサ祭。夕食には尾頭付き鯉の甘露煮、樽酒が振舞われました。
20100710コマクサ祭 20100710夕食


第2日目
期待していなかった日の出も見れましたが、太陽はすぐ雲の中に消えていきました。
20100711日の出 20100711集合写真

今日の天気は曇りのち雨、早々に出発。硫黄岳に向かう。
20100711野澤さん説明 20100711硫黄岳

硫気変質して、黄白色に見える赤岩の頭付近

20100711硫黄岳 20100711硫黄岳を目指す
硫黄岳山頂周辺はパン皮状火山弾が散在している。

硫黄岳爆裂火口

20100711硫黄岳爆裂火口
硫黄岳 下部、中部溶岩、上部火砕岩を見渡す。
上部火砕岩は溶結凝灰岩、溶結スコリア

下山します。
昨日登ったジョーゴ沢が見えます。
ほぼ真ん中の沢のコースです。
硫黄岳稜線のケルンを見上げ、
名残を惜しみます。
20100711ジョーゴ沢 20100711硫黄岳稜線

行きは無事を祈願し、帰りは無事を感謝し、拝礼。
20100711御神木

ご苦労さまでした。また、来年!

参加者の声

森林観察学習部会 奥村 茂

〜 八ヶ岳の地質、樹木、高山植物を知ろう 〜

野澤先生を含め総数13名で硫黄岳周辺の地質、植物を観察してまいりました。
柳川の上流のジューゴ沢に入り、先生のお陰で 私達素人だけでは絶対に経験のできない内容の濃いものでした。 途中 先生の飾りけのない朴訥な説明をいろいろと受けながら 楽しい観察をすることができました。  梅雨の晴れ間に恵まれ、又、こまくさ、ウルップソウなどたくさんの高山植物に迎えられ、心洗われる思いをさせていただき、楽しい仲間とのすばらしい2日間でした。

2010.7.10