八ヶ岳山麓観察会[7月8日 森林観察学習部会]
八ヶ岳山麓観察会[7月8日 森林観察学習部会]
八ヶ岳美術館 駐車場
本日のスケジュールの説明、森林鉄道の概要説明がありました。
講師の小川さんからの当時の写真を示しながらの解説、当時16歳でトロッコで丸太を運んでいたという中村さんも駆けつけて下さり、当時の作業の様子など聞かせていただきました。
徒歩で跡地巡り
森林鉄道は、スピードが出すぎない3%以下の勾配で線路が敷かれていました。その敷地は固く突き固められているため、今でも判別できます。しかし、線路はありません。木材搬出が終了時点で別な場所に敷設するため撤去されたそうです。今日は、その跡地を歩いてみます。
あの上まで木製の桟橋が掛り、この沢を渡っていました。 | ||
今、参加者が歩いているスペースが軌道跡です。 | ||
軌道はこの幅 | ここは石積みをして幅を確保 | |
この沢は桟橋で渡り向こう岸に続きます。 | ||
集木場跡地 | ||
四季の森入口の復元地見学
レールが敷かれトロッコの上には丸太が乗っています。丸太の縛り方は、振動しても解けずに締まっていく当時の縛り方です。
当時は丸太に乗ってブレーキを掛ける等の操作をしたという話を聞き、実際に丸太に乗り体感してみました。 |
昼食 八ヶ岳美術館の庭で昼食をとりました。
富士見 A-coop裏 富士見側から美濃戸へ向かって跡地は続きます。
富士見図書館敷地 ここは終点の集木場跡です。
富士見図書館裏 この裏の坂下には中央線が走っています。ここを下して、貨車に積み込みました。
八ヶ岳山麓観察会感想
会員参加 小林喜久一
2012年7月8日、八ヶ岳森林文化の会の主催で『八ヶ岳森林軌道』の跡を辿りました。
この森林軌道は、かつて茅野市美濃戸付近から原村の別荘地帯、中新田を通過し現在のJR富士見駅につながる総延長約19kmの木材搬出専用鉄道です。
1939年(昭和14年)から1947年(昭和22年)の約8年間運営されていたそうです。
今回はこの地域に生きた人々の偉業の軌跡をたどりました。
そこには戦前・戦中・戦後と大きく揺れ動いた時代に、山々からの恵みを受けながら、人々が力をあわせ、力強くそしてたくましく生きた証しがあったと感じました。
復元された、レールの上の実物大のトロッコとそこに積まれた丸太を見るにつけ、次第にこのトロッコが急斜面の谷沿いを走り抜け、ふもとの村々の中を駆け抜ける姿が目に浮かぶようでした。
今現在に同様なことをして森林資源を運び出すこと事体に大きな意味があるとは思えませんが、今は姿を消してしまった森林軌道のレールを辿ることは同じ山麓に住み山々の恩恵を受け生きる者が、その恩恵を未来にどの様につなげていくか、それを模索していく礎になるものと思います。
今回の企画をされた八ヶ岳森林文化の会の方々、ご案内いただいた「よみがえれ、八ヶ岳森林軌道」専門部会の方々に感謝します。
2012.7.8