事業報告


森林資源活用事例見学会[7月7日 森林観察学習部会]

  〜ペレット・チップ・薪等の活用事例を見聞しよう〜

 環境都市飯田市と伊那市の木材資源の活用事例を飯田市役所・お日さま進歩・NPO法人いいだ自然エネルギー山法師等の関係団体に案内頂き、視察研修します。

日  時

7月7日(日)午前7時〜午後6時まで

見学場所

@さくらファーム 廃菌床(オガ粉使用)ボイラー
Aほっ湯アップル ペレットボイラー
B三宜亭本館 薪ボイラー
C風の学舎(NPO法人山法師) 化石燃料ゼロハウス
D木材加工施設「ほうりん」
E株式会社DLD 薪の宅配サービス

参加者数

28名(内スタッフ4名)

 

境都市飯田市と伊那市の木材資源の活用施設を6ヶ所見学したが、実践的な取り組みが行われており、諏訪地域と比べても一歩進んでいることを実感する。行政・森林組合・NPO法人・一般企業等の連携で、木材資源の伐採から製材・加工施設を通して、建設やエネルギー市場に木材資源の流通形態が整っていることが、内部課題を持ちつつも前進していると理解できる見学会であったと思います。
関係団体及び関係者の協力を頂いたことに深く感謝します。また参加者の感想からも、同じような内容のコメントと評価を頂きました。
これからの茅野市に於ける森林資源の活用に向けた取り組みを考える時、先進的に、先頭は走っている地域の活動事例やその背景を理解し、早期に道付けできることを期待していきたい。

トピック

@さくらファーム 廃菌床(オガ粉使用)ボイラーの利用事例 

20130707さくらファーム

バイオマスボイラーの活用によって二酸化炭素排出量を削減し、地球温暖化防止に貢献しています。

菌床として使用するおが粉

使用し終わった菌床→これを燃料として利用

20130707おが粉 20130707使用済み菌床

殺菌をする工程を重油の代わりに、菌床を燃料として使用する。

20130707乾燥 20130707燃焼




Aほっ湯アップル ペレットボイラーの利用事例

温泉施設の給湯ボイラーとしてペレットボイラーを使用している。
20130707温泉施設 20130707ボイラー室
20130707ペレットボイラー 20130707ペレットタンク
ペレットボイラー ペレットタンク
20130707灰



ペレットの質が問題で、ペレットボイラーのメンテナンス削減と温度管理が改善できる。

燃焼後の灰




B株式会社三宜亭本館  薪ボイラーの利用事例 

温泉旅館「天空の城」では、廃材の薪ボイラーを利用。
温泉の温度上昇に利用。客室の冷暖部にヒートポンプを利用している。

20130707温泉旅館

 

20130707廃材 20130707ボイラー室へ

廃材の集積場

カットして滑り台でボイラー室へ落とす

20130707ボイラー 20130707ヒートポンプ

ボイラー室

ヒートポンプ




C風の学舎(NPO法人山法師) 化石燃料ゼロハウスの事例

20130707風の学舎 20130707風車

地域材と伝統工法による家造り

垂直軸型風力発電

20130707ヒートウォール 20130707送風

ヒート ウォール

ヒート ウォールの熱を部屋に送る。

20130707雨水利用 20130707ボイラー

雨水利用施設

ウッドボイラー

20130707太陽熱温水器 20130707ピザ窯

太陽熱温水器

人気のピザ窯

20130707記念撮影

記念撮影




D木材加工施設「ほうりん」

原木から建築材のプレカットまでの一貫生産設備を用意している。

20130707ほうりん
20130707原木 20130707皮むき

原木

皮むき

20130707製材ライン 20130707製材ライン

製材ライン

20130707角材 20130707板材

角材

板材

20130707乾燥機 20130707原木の皮

乾燥には原木の皮を燃やしている。




E株式会社DLD  薪宅配システム 

20130707薪ヤード 20130707薪ストーブ

薪宅配システムの説明

薪ストーブの二次燃焼の仕組みの説明

参加者の声

 見学会感想

一般 遠峰 徹

 今回南信地区で省エネを考慮しながら自然エネルギーを積極的に活用している現場を見る中で、それを支える仕組みの存在を感じました。
 一つは、技術の面や補助金の仕組みが一般には分かりにくい中で、さくらファーム、三宜亭、風の学舎において、おひさま進歩によるサポート活動が大変有効に機能していると感じました。
 次に、ほっアップルでのペレットボイラーの運用の背景には、ペレットを供給する仕組み存在があると感じました。薪についてみれば、DLDが県内から山梨に至るまで宅配供給していると言う事から薪ストーブの普及がかなり進んできたことの現れと思います。薪・ペレットについては諏訪圏では供給への行動が問われていると改めて感じました。
 今回私が最も感動したのは、“八ヶ岳森林文化の会”が市民参画の山林整備、間伐共同活動をすでに実現されていることです。更に進んで間伐を事業にすることをお考えの様です。今後ご指導をいただきたいと同時に、会の益々の発展を祈念する次第です。
  見学会のまとめはこちら


 誰がやるか、誰にやってもらうか
――間伐材等利用見学会に参加して――

一般 堀 晃

 八ヶ岳森林文化の会の学習会に久々に参加させてもらいました。一日を目一杯見学・研修に使い、充実したものでありました。
 ・さくらファームのきのこの廃菌床をボイラーの燃料にする取り組みで、灯油の消費量が4年度に18,154g減で、廃菌床の廃棄料が約40万円浮いたという。収益に大いに貢献しているようでうれしいことです。設備費に補助があり成しえたことと思うが、もともと肥料にしていたので完全な循環をしていたことを考えるとその点でどれ程の意義があるのかを考えてみたいと思いました。
 ・三宜亭の薪ボイラーは建築廃材をただ同然で入手し、活用している良い例だろう。上手いことやっているのは素晴らしいことであるが、ただ、森林から出るものをそのまま直に利用する訳ではないので、我々の観点から少しずれがあるような気がした。
 ・視察したいずれの施設も取り組みは学ぶべきものがあります。肝心なことは「やる人がいる」ことである。そして誰にやってもらうかということではないでしょうか。



 アンケート結果

間伐材利用の実態が、見聞できて良かったが、各事業所が日曜で休業の所が多かったのが残念。
木材を燃やす各種ボイラーの利用が、以外と普及していないのに驚いた。これからやるべきことが沢山あると思った。スタッフの方々御苦労様でした。

今日一日とても充実した一日でした。見学箇所も多く、それぞれが特徴があり、責任者の意気込みが真剣で、それぞれ特別のおもいいれがありました。ストーブ薪販売店では、皆さんが親切にしてくださり、良い方向にいきそうでうれしいです。今日は計画してくださった方々、引率案内の方々ありがとうございました。心から御礼申し上げます。

非常に面白かった。風の学舎の講義は関心した。時間配分も良かった。

盛りだくさんで、有意義な見学会でした。DLDはカットして、少し余裕が欲しかった。

見晴らしファーム等の買い物コースを入れて欲しかった。全体的に見学コースが多い。(少なくして欲しい)

見学を企画して頂きありがとうございました。知識は十分なので、今後は如何に実行するかが問われていると思います。森林バイオマスの利用は、山から木を取ってくる事から始まり、需要者への供給と総合的な計画と実施が必要となります。これらが出来るのは、企業しかないか?  行政の協力が期待できるか?

・森林組合の動き方が、諏訪の森林組合の動きと差がありすぎる。我々が諏訪森林組合に言っていかないと動かない。
・ペレットストーブ、チップボイラーの大きな物を見せて頂いたきが、小型・中型ボイラーを作っている日本のメーカーも見られる様になってきました。
・木質バイオマスについて、色々と勉強させて頂き、ありがとうございました。

大変充実した見学内容で、言って見れば「デイスカバー南信自然エネルギー」の感があった。今まで見学できない場所ばかりであった。南信の小企業の活動の熱心さを感じた、と同時に、思いを行動に移す実行力に感心し、見習う所を感じた。
薪ストーブ(ペレットストーブ)の浸透している点を、背景に見て、感じることができ、今後木質バイオマス活動を興してゆく時に、確実に呼応する市民層がある事を感じ、実行の時期は熟している事を感じた。今回の見学の段取りには、大変御苦労された事と思います。充実した見学会を有難うございました。

森林資源の活用事例の見学会としては、全体的に良かったと思います。参加者も満足したのではないでしょうか? 日曜日であつたため、実稼動の現場が見られなかったのは残念でした。木材チップのボイラーが見られなかった事は残念。全体に時間が長かったかも知れない。

見学した各所とも興味深く有意義であった。環境問題は、問題意識とアイデア・強いリーダーシップのもとに継続して取り組んでいくことが大切だと痛感した。特にDとEが素晴らしかった。

飯田を中心に南信州では、木材活用のみならず、自然エネルギーの活用に、かなり熱心に取り組んでいる印象を強くしました。諏訪地域は、それに比べ遅れている感じであり、今後の取り組みの強化を期待したい。

お日さま進歩のチップボイラー、ペレットボイラー、薪ボイラーを見学したが、単にボイラーを導入するということだけでなく、材料の調達、運用、灰の始末までシステムとして稼動できないと実現が難しいことがわかった。木材の利用が生産・加工・消費すべての部門がうまく稼動しないといけないのが実感した。

昼食を皆なで取れたらと思った。ハードなコースで、色々と見せてもらってとても参考になった。買い物の所へよって欲しい。ありがとうございました。

本日は、ありがとうございました。見学させて頂いた施設は、どこも自立したシステムをもっていて、良いモデルが見られたと思いました。茅野でも間伐はかなり必要だと思います。なので、伐りだした木材で地産地消できるようなシステムができれば良いと思いました。今回は、非常に参考になりました。

自然エネルギー研修会に参加して、飯伊森林組合でのすう直な丸太が沢山積まれている光景は、圧倒されました。市民の森の整備が、いつかはこんな立派な木に育ってくれる事の一助になることを夢見ています。スタッフの皆様大変お疲れ様でした。

大変グッドタイミングな企画だったと思います。スタッフの皆様、御苦労様でした。ありがとうございます。活用事例を実際に見るのは、私個人にも、文化の会にとっても有意義な事でした。もう少し多くの会員が感心をもって下さればと願っています。また、来年もこのような好企画をお願い致します。

普段見る事が出来ない所が見学でき、また、同じバイオマスを利用したボイラーでも薪やペレットなど種類によって、構造は似ていても使用する施設の状況に合わせたものになっていた。それぞれの所で勉強になりました。

スケジュール的にきつかったが、実施日を平日にした方が良かったかもしれない。訪問先が、好意的に受入れてくれて素晴らしかった。会計的に厳しい内容で あるから、補助金助成受けていくことも必要であると思う。

2013.7.7