今、森林整備事業部は(H28年度)


  このタイトルで、事務局だより毎号に連載しています。

2016.3.28

 3月26日森林整備事業部の会議が事務所で開催されました。
 来年度の参加登録者は37名、御柱の影響か特に若い方の欠席が目立ちました。
 会議では山本新部長の挨拶に始まり新入部員の河西さんと曽我さんの紹介の後、作業安全指針とルール、来年度の活動内容、過去の事故事例が説明され相互理解が図られました。
 来年度の目標は間伐面積10haで搬出は100mです。

○H28年 間伐域
H28年間伐域


2016.4.16

 今年は森林経営計画の4年目です。整備目標は横河口駐車場から市民の池東斜面までの面積10ha、搬出量100mを37名の部員で行います。(期間:4/16〜11/12)

◎例年通り、始業前の安全祈願にはじまり、入念な準備体操、装備・道具の確認

安全祈願 安全祈願 安全祈願

◎午前はチルホールを使用した作業2例の講習
例1) かかり木の処理:コナラの枝に掛った樹高20mのカラマツを外す方法

処理方法 やっと落ちた
(処理方法について皆で意見を出し合う) (苦戦し、やっと落ちた20mのカラマツ)

例2) 伐倒方向の調整:余地のあまりないコナラ林で重心とは別の方向に伐倒したい時、 2本のワイヤを均等に張り、追い口から刃を入れて伐倒する方法

ワイヤを張る 楔を入れる 伐倒後
(対象木の両側にワイヤを張る) (追い口から先に切り楔を入れる) (伐倒後の安堵の顔)

◎午後からは現場にて通常作業開始

無事終了 ワンコ 吹き出し
(初日を無事終え、感謝と反省会) Yのつぶやき


2016.5.17


今年度の作業現場の道沿い(せせらぎコース)を行くと、短い距離の間に様々な林相が出現します。それぞれが市民の森の歴史の一端を教えてくれます。ゆっくり歩いてみるのもお勧めです。

アカマツ林

アカマツ林 アカマツ林

カラマツ林

コナラ林 カラマツ林

コナラ林

カラマツ林 コナラ林

林床を彩る花木

ヤマツツジ コバノガマズミ 林床を彩る花木


2016.6.8

 本年度は伐採とともに集材も並行しておこなっています。作業道は開設せず既存の道を利用していますが、南コースは急斜面を引き上げ、せせらぎコースはゴロタを引き下ろすなど危険な作業の連続です。

南コース せせらぎコース

南コース

せせらぎコース

 当然それらの道は舗装道路ではありません。軽トラで移動するときは「デコボコ岩石埋没道」や「ぐちゃぐちゃ湿地道」を行かねばなりません。昨年は埋没している石に軽トラの腹をすり、オイルフィルターを大破する事故も発生しています。そのような所へは砂利を敷き作業の安全をはかっています。

デコボコ岩石埋没道 湿地道整備

デコボコ岩石埋没道

ぐちゃぐちゃ湿地道整備

 ところがこの埋没岩石、横河口駐車場では今年、川への転落事故を未然に防いだ「お助け石」があるとかないとか? とにもかくにも気を付けましょう!



2016.7.16

 7月16日、前期事業部の作業が終了し、夏休み前の締め及び暑気払いが行われました。今回は会場に松崎さんのペンションをお借りし、高原の涼やかな空気の中、部員間の親交を深めました。
 前期は、作業日22日、延べ人数186人で、5haの間伐を行い、これは28年度予定面積のちょうど半分。搬出材積は60m3した。
 前期作業現場横河口周辺は、大きな岩がゴロゴロした急斜面だったり、道からかなり上部へ続く混んだ林だったり、伐倒にも、集材にも危険を伴う(どこも危険ではありますが)大変な所でした。
 しかし、そんな中でも新たな発見があり、夏休み明けが楽しみな事業部部員一同です。後期も安全に気をつけ頑張りましょう! 

暑気払い

青年部? 熟年組

忙しく立ち働く頼もしい青年部?

のんびりゆったり酒酌み交わす熟年組

トピック

未確認の大木

未確認の大木を発見
(樹種同定確認中)



2016.8.24

 8月24日後期作業開始初日は、参加者5名と少し寂しい門出でしたが、嬉しいことも。
今年から事業部員の後期募集がはじまり、新たに4名の仲間が加わることになりました。
今日はそのうちの一人稲垣さんが、加藤林業士による厳しい(多分!)マンツーの指導を受け、見事(?)間伐作業デビューを果たしました。 お疲れさまでした。
 本年度の間伐材予定搬出量は100m3。後期はまだ40m3ほど間伐搬出しなければなりません。
 間伐作業も重機を使用しての集材も神経を使い大変ですが、よりよい森林づくりを目指し後期も頑張りましょう!
 部員以外の皆さんも是非きれいに積みあがった間伐材を見に来てください。(作業のない日に)

集材 伐採木

※せせらぎコース上にせり出していた大木も
伐倒しました。



2016.9.19

 森林整備補助金申請資料の一つとして、整備地域のうち平均的な場所100m3を選定し、モデル間伐をおこなう。 プロット内15本、残す木(黄テープ)10本、伐採する木(赤テープ)5本。伐採率33%。 (規定によると、伐採本数による伐採率は30%以上、かつ伐採材積による伐採率は35%以下となっています。)

集材 伐採木
(間伐前) (間伐後)


 モデル地域はカラマツ植林地で密植されているため、かかり木防止や搬出を考慮し、チルホールで一定方向に伐倒する。チームワークがものをいう作業。

集材 伐採木


☆さて、ここで事業部通クイズ!

@何をやっている?集材 Aこれは何?伐採木


答え(ここにカーソルをのせてみて)



2016.10.21

 28年度の森林整備作業も終盤戦。今月はここが里山であることを改めて実感しました。

横河口作業を進めるうちに、ナラガシワ・クヌギ・エゾエノキ・サワラなど大木をちらほら確認していく中で、倒れかけた鳥居と山の神と掘られた岩を発見(?)。里山と山に感謝する住民のつながりを見る思いがしました。(鳥居は6年に1度建て替えられるそうです。)

鳥居 サワラ
鳥居と「山の神」と彫られた岩 ご神木か?サワラの大木


市の委託を受け、植林地の整備を「カエデの森」下で行いました。ゴルフ場開発では山頂レストハウス予定地直下ということになります。そこにはいまでもそのころの残骸が放置されています。

ドラム缶と看板 コンクリートブロック多数
ドラム缶と看板 コンクリートブロック多数


また今月はハチの活動が活発で、活発さでは負けないKさんが蜂に 複数個所刺される事故が発生。かねてよりアナフィラキシーが心配されていたKさんでしたが、3時過ぎの出来事だったため、作業終了後に病院(富士見高原病院) へ駆けつけ、点滴等処置を受け、大事に至らずに済みました。後日検証したところ、作業個所に地バチの巣があり、そこへ足を突っ込んだためであろうとのこと。 作業時のハチ刺され事故は毎年発生していますので、充分気をつけたいところです。
※アナフィラキシー:アレルギーの一種。抗原抗体反応により急激なショック症状を起こし、著しい場合には死に至る現象。(広辞苑) 
今回のようにハチに刺され、特にアレルギーをもっている場合など、吸引器で幹部を吸引するなどの応急処置はしたとしても、 手間取って手遅れにならぬよう、病院へ急行するなり救急車を呼ぶなりの手段を速やかにとる必要があります。 また、刺された本人も他者に気づかい、「大丈夫!」などと遠慮せず、周囲に対応してもらうよう指示しましょう。



2016.11.20

@

28年度の森林整備作業は12日をもって無事終了、面積10.23ha、搬出材積133m3と目標を達成することができました。今年の作業現場は川やガレ場・湿地などを含む起伏の多い地形だったため伐採はもちろん、集材や測量もかなりの重労働となりました。

伐採作業 集材作業 測量作業
伐採作業 集材作業 測量作業

A

来年は森林整備5か年計画の最終年となります。9日には参加者全員で現地(横河口から北西に向かい、砂防堰堤・土砂崩れ現場脇を登って、山頂北コースへ出る一帯)を見て回りました。ほとんどの木は蔓がらみで灌木が生い茂り、複雑な地形とともに搬出できる樹木があるのかが心配なところでした。

砂防堰堤 蔓がらみ 笹薮と灌木
砂防堰堤 蔓がらみ 笹薮と灌木

B

3日には再来年度からの森林整備予定地の一部を踏査しました。駐車場から鋳物師屋口までの北側一帯は、かつて間伐して放置林となったところ、カラマツやヒノキを植林したところ、私有地で踏み込めないところ、などが混在する複雑な地域で、どのような森林整備計画にしていくのかが課題となりそうです。

広葉樹林 針葉樹林 私有地のバラセン
広葉樹林 針葉樹林 私有地のバラセン

C

12日は作業終了後、松崎さんのペンションをお借りし、28年度作業打ち上げ会を行いました。森林整備にかける想いがほとばしる前向きな意見が飛び交い、大いに盛り上がりました。 森林整備の基本的理念など来年の作業に生かされることを祈念します。


≪28年度森林整備地測量図≫

広葉樹林

山本晴喜部長から一言
 皆様のご協力により1件の事故もなく目標を達成できました。
 心より感謝いたします。ありがとうございました。


おまけ

重機片付け 重機デビュー
重機片付け「ほんと−に、お疲れさま!」 狭川さん重機デビュー
「おーい、よそ見すんなー!」


2016.12.16

 12月16日、県による今年度 間伐地の検査がおこなわれました。(前回の地図参照)
 地方事務所林務課からは千村・武井両氏、会からは山本・鶴田・井村(悦)・矢崎の 4名が立ち会いました。
 今改めて林を歩くと、私たちの手で着実に森林整備が進んでいることを実感します。
 その道々、千村さんは「森林整備は手段です。」と何回か言われました。なるほど、 私たちは実際に現場に立つと、伐採の技術や機器の良し悪しなどにはかなりこだわりますが (勿論安全第一なので重要なことです)、何故、森林整備をしているのかという根本的な ところへは、なかなか思いが至らないのが実情ではないかと思います。
 「森林整備は手段」・・・。では、何のために私たちはこの作業をしているのか? その目的を事業部員はもちろん会全体として確認し、共通認識を持つ必要があるのでは ないかと感じました。
 「どんな森にしたい?」・・・。私たちはそれを地権者、行政、市民の森を創る会などと 連携して考え施業していく。それがとりもなおさず、八ヶ岳森林文化の会が地域の 環境保全の一翼を担っている誇りにもつながるのではないでしょうか?

検査前の打ち合わせ 間伐地起点から検査開始 厳しく!申請測量値の確認作業
検査前の打ち合わせ 間伐地起点から検査開始 厳しく! 申請測量値の確認作業
釣竿を使いプロット設定 プロット内の伐倒木、材積の確認 間伐後のカラマツ林の樹冠
釣竿を使いプロット設定 プロット内の伐倒木、材積の確認 間伐後のカラマツ林の樹冠

山本晴喜部長から一言
 測量(11月上旬)を終え、補助金の申請書提出(12/2)まで約一ケ月かかりましたが、 何とか提出にこぎつけ、そしてその検査も無事終了できました。
 皆様のご協力に感謝申し上げます。
検査を終えての感想は、測量し直しなど何事もなくほっとしています。


「今、森林整備事業部は」おまけ

 今年の作業地横河口周辺では、いろいろな発見があり、市民の森の奥深さを痛感しました。
 その一つが前回紹介した「山の神」の存在。そして、新たな樹種や大木の発見です。いずれも、散策路から確認しづらい所にあります。
 これらの発見、加藤林業士の観察眼によるものがほとんどなんです。さすがですね!
 市民の森には、茅野市の巨樹・古木に登録したいような木がいっぱいあります。
 来春また色々な樹木に会えるのが楽しみですね。

直径1m越えのサワラ 初確認のクヌギ大木 まんまるクヌギのドングリ
直径1m越えのサワラ 初確認のクヌギ大木 まんまるクヌギのドングリ
初確認のナラガシワ 大きなドングリ
初確認のナラガシワ 大きなドングリ
エゾエノキ エゾエノキ
エゾエノキの大木

樹間を彩る紅葉も多い 来年度間伐地のサイカチ サイカチ樹皮のトゲトゲ
樹間を彩る紅葉も多い 来年度間伐地のサイカチ サイカチ樹皮のトゲトゲ

2016.3.30