地質・鉱物の広場


吉田山の形成と地質、地形

●地質学的成り立ち
 市民の森(吉田山)は、永明寺山一帯、砥川流域、横川(岡谷)上川流域の木舟、大沢付近に分布している、石英閃緑岩、花崗閃緑岩で構成されており、第三紀中新生中期(1,500万年前)に貫入したものと考えられる。(フォッサマグナ側) この内、吉田山、永明寺山の岩体は、もっと広く分布し、南北5KM、東西4KMの広さをもつ。 なお近くにある、小泉山、大泉山は半探成岩の揮緑岩を主体に構成されているが、この岩体は、吉田山などを構成する、石英閃緑岩、花崗閃緑岩からなる、探成岩類の周縁部である。 岩石は、石英、斜長石、黒雲母、単斜輝石、角閃石などの鉱物で構成されているが、風化がひどくボロボロしている。これは構成しいている各鉱物の膨張率がそれぞれ異なるため、非常に崩壊し易いためと、(マサ化という) 糸魚川、静岡構造線によってもまれているからである。
●吉田山の形成と地質、地形
1.第三紀の大地
  諏訪地方は第三紀層の大地におおわれていた。(比較的平坦面な大地)
  糸魚川静岡構造線のフォッサマグマ側、中央隆起帯の活動により探成岩類が貫入する。
  石英閃緑岩、花崗閃緑岩
  第三紀、中新世 1500万年前
第三紀、中新世 1500万年前
2.吉田山の誕生
  地殻変動により地下から上昇
  1000万年−800万年前
1000万年−800万年前
3.霧ケ峰山地の形成
  霧ケ峰第一期火山の噴火150万年前
    第二期火山(車山)
150万年前
4.八ヶ岳火砕流
    諏訪堆積盆地の形成 現在
現代
森林観察学習部会 野澤 仁三郎
(市民の森を作る会 会長)
本記事は、八ヶ岳森林文化の会発行の観察会資料「市民の森のしおり」(2010年度)にも掲載しました。


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2010.2.27