活動実績報告 平成17年度(2005年)
平成 17 年度総会および講演会[5月22日(日) 幹事会]
会場および時間 茅野市役所 12:00〜17:00
参加者人数 総会 41 名(会員のみ)、講演会 83 名(会員・一般)
事業内容
[総会]
(1) 平成 16 年度事業報告、決算報告
(2) 平成 17 年度事業計画(案)、予算(案)についての報告、決定
[講演会]
演題:樹を育てた人 木を植えた人 −落葉松と桜の歴史から−
講師:井出 孫六 氏
感想等
・第 4 期目となる定期総会であり、41 名という会員の参加をいただきました。内容的には、平
成 16 年度事業報告や、平成 17 年度の事業計画に対し、会員の皆さんから積極的に会運営上の反
省点や、要望事業が発言され、会員 1 人 1 人のここ数年の間の森林に対する知識や経験の積み重
ねが感じられました。会として、また会員として今後何をしなければならないかを考える良い節
目の年となったのではないでしょうか。
・記念講演は、長野県出身の井出孫六さんをお願いし、「樹を育てた人、木を植えた人」という
演題でお話をいただきましたが、先人達が試行錯誤しながら、どのような思いで、木を守り育て
て来たかを知ることができました。特に、カラマツについては、我々としても今後の大きな課題
でもあり、方向性を考える上で、貴重な講演でありました。
第 1 回森林整備作業[5月29日(日) 森づくり部会]
会場および時間 吉田山 市民の森 9:00〜15:00
参加者人数 14 名
事業内容
「森づくり体験講座」 〜安全管理と装備〜「森の見方」
(1) 安全管理 1(装備/道具)
森づくり部会で編纂された森林整備作業安全マニュアル″が参加者全員に配布され、要点につ
いて、実物を観ながら、講師から説明を受けた。
(2) 森の見方(樹木観察を交えて)
外観による森の違い/明るさ/木の密集度、大きさ、樹種/下草、下層木の状態等から、森林の
状態の調査方法。 手入れがしてあるか? 健康な森か? 等
森林中での森林の体感体験 明るい森林/暗い森林
観察樹木:アブラチャン、ヤマザクラ、ミズキ、グミ、コナラ、トチ、ホウ等
(3) 安全管理 2(作業/行動)
・安全マニュアルに沿って、講師から説明を受けた。
・チェーンソーの基礎知識(実技<玉切り>を交えて、取り扱い/メンテナンス)
(補)携帯型トイレの設置と使用説明/経費削減と自然環境への取組を PR
感想等
・実際に使われていた方が体験などを交えて説明していただいてよくわかった。
・森林を外から見た時と中に入った時で感じ方が違うことを痛感した。
・暗い森林は手入れされていない悪い森林のイメージがあったが、実際に中へ入ると涼しくて、
気持ちがよかった。
・チェーンソーの実習は使ったことのある人が多かったのでスムーズに進んだ。
茅野市に「市民の森」に関する提言[6月15日(水) 幹事会]
茅野市には市民が自由に活用できる公的な森がない。多くの市民が森づくりや、
森に親しむことができる場として、また当会の活動の場としての「市民の森」を
創造する ことを目的に、平成16年2月13日幹事会にて「市民の森創造検討委員会」
設立を決定し、 会員にメンバー募集し、毎月1回程度の会議を継続し、この日の提言となった。
第 1 回学習会[6月18日(土) 学習部会]
会場および時間 富士見高原・ふれあいの郷(国有林)10:00〜12:00
参加者人数 24 名
事業内容
「国有林における森林づくり」の現地研修
講師:南信森林管理署 流域管理調整官 唐木 渡 氏
森林ふれあい係長 若林 鶴幸 氏
(1) 森林管理局の仕事
(2) 国有林と森林づくり
(3) 富士見高原(国有林)での取り組み
感想等
・今回の学集会は天候にも恵まれ、国有林の現場を歩きながらの学習会で実際の森の姿を観察し
ながら、森づくりに取り組む森林管理署の仕事の一端を知ることができました。
・間伐、伐採が持続的且つ計画的に行われてゆくためには、我々一般の国民の理解が極めて重要
で色々な取り組みが必要であることを改めて実感した。多くの人達の理解が裾を広げ森林づくり
に結びついてゆくことが必要と思います。そのために基本的なことがらの一端を少しでも学習で
きて一歩前に進めたかなと思います。
第 2 回森林整備作業[7月2日(土) 森づくり部会]
会場および時間 吉田山 市民の森 9:00〜16:00
参加者人数 15 名
事業内容
〜グリーンシャワーの中で楽しい森林整備作業〜「伐木・造材」
(1) 刈払機の使い方:9:00〜10:00
刈払機の構造と安全作業の説明を受けた後、希望者 4 名が作業実習を受けた。
(2) 森の見方:10:00〜11:00
各 5 人の 3 グループに分かれて、森の状態が異なる 5 地点について観察し、作業方針をグル
ープ内で討議。内容を実習シートに記入。
(3) 伐木の基本:11:00〜12:00
伐木技術の基本と安全管理について説明を受ける。
(4) チェーンソーの手入れ:昼休み休憩時間を利用
目立て方法、日常メンテナンスについて
(5) 伐木演習:13:00〜15:30
3 グループに分かれて講師の指導の下、伐木と造材の実習を受ける。
(6) 森の見方についてのグループ発表:16:00〜16:30
観察した 5 地点について観察のまとめと、どう取り組みたいかを各グループから発表
感想等
・盛りだくさんであったが、事前に用意されたプログラムの時間割に合わせて効率よく、且つ密
度の高い内容で進められた。
・森の見方は前回に続いて 2 度目だが見る度に新しい見方が出てくることが分かった。
第 1 回森林観察会[7月9日(土)、10日(日) 森林観察部会]
会場 八ヶ岳硫黄岳周辺
参加者人数 13 名
事業内容
今年度の観察会は、硫黄岳、大同心を目的とし、6 月 25・26 日 に計画したが、講師の長沼先
生の都合があり、7 月 9・10 日に延期実施した。
[1 日目]スポーツ公園集合、車に分乗し、美濃戸口(赤岳鉱泉駐車場)〜堰堤〜赤岳鉱泉〜赤 岩の肩〜硫黄岳頂上〜硫黄岳山荘(山荘のコマクサ祭開催と合致1泊)
[2 日目] 山の朝はガスと強風だ。先に出発した登山客が引き返してくる。予定を変更し、大
同心の観察を中止して、硫黄岳山荘〜1 日目のルートの逆戻りで下山した。
感想等
・大同心に登頂する予定でいましたが、強風及びガスの発生により、安全を考慮し、中止とした。
・今回のアンケートを取り、出席者の考えを聞いた結果、永沼先生の解説がとても良かったとの
意見が多かった。
・安全の課題として、登頂ペースが速すぎ又天候により、寒さも加わったために、足腰に痛みを
もった会員がいた。準備運動を十分にしてから登りたい。
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コマクサ祭の祝宴 |
第 2 回森林観察会[9月4日(日) 森林観察部会]
会場 国営アルプス安曇野公園、県営烏川渓谷緑地
参加者人数 24 名
事業内容
一般市民も含め、1 日のバスツアーとし、学習部会と共催し実施する。
「市民の森」を創造し、今回 2 箇所の選定を行い実施した。
国定アルプスあずみの公園:一部自然を取り込んだ都市型公園
県営烏川渓谷緑地:人工的な施設など自然公園
感想等
(1) 国定アルプスあずみの公園
市民の森にそぐわない観光目的の公園であり、多額の金を要している。運営も今後多分問題にな
りそう。
(2) 県営烏川渓谷緑地
市民の森として十分参考になる公園である。まだ初期の状態の為、今後に期待したい面もあるが、
非常に参考になったと考える。
第 3 回森林整備作業[9月11日(日) 森づくり部会]
会場および時間 吉田山 市民の森 9:00〜15:00
参加者人数 12 名
事業内容
〜伐る・育てる・学ぶ〜「除伐と間伐」
除伐と間伐作業を効率よく安全にすすめる上での技術の向上は不可欠であります。
両角講師を中心にして大径木の抜倒実演講習があり間伐作業に応用できる技術を学ぶことが出
来ました。
感想等
・大径木の間伐は、技術的にも高度な技術が求められ実践に入っている作業班準備会の皆さんに
とりましては多くのことを学ぶことが出来たことと思いました。
・参加人数が少なかったことは残念でしたが、三班に分かれて作業実習を行いましたが天候に恵
まれ快適な森林整備作業ができ、いつもよりは、はっきりした目的で行えたので、やった感はあ
ったと思います。これからも楽しみながら森林整備作業に汗したいと思います。
森づくりと森と親しむ会[10月1日(土)、2日(日) 幹事会]
会場 吉田山 市民の森
参加者人数 19 名
事業内容
昨年に引き続き 2 回目の事業。宿泊するように計画をしているのは、普段全会員が宴席などで
の交流の機会が少ないので、それも含めて計画をした。今年は、午前中はフィールドとしている
吉田山全体の概要を知る目的で、中心部の踏査を行い、一部池周辺の間伐とつる切りを実施した。
また、途中きのこを採ることもできた。午後は、蓼科高原千田刈りにある蓼科・八ヶ岳国際自然
学校に移動し、施設の見学やビデオによる勉強会を実施し、夜の宴席は盛大で、お互いに交流を
深めることができた。
国際自然学校の北澤氏他のスタッフには、何かと便宜を図っていただき、お世話になった。
感想等
・事業参加者も多く、メインとなる計画と思われるので、来年もまた新たな計画で実施できたら
と思っている。事業内容を検討し、2 日間全日程の計画とすれば、かなり中身のある事業計画が
できるのではないか。
エコフェスタ 2005[10月16日(日) 幹事会]
会場 諏訪東京理科大学
事業内容
エコフェスタは、今年会として初めての参加となりました。発表内容としては、会設立の目的、
基本方針、創立からの経過、各部会の活動報告などをし、展示物としては、各部会での事業内容
の紹介、クラフト、写真、森林整備に必要な用具、数年来続けてきた八ヶ岳における地質調査(地
質図)、岩石の標本などを展示しました。
感想等
・初めての参加でしたが、部会ごとに内容のある作品が出展され、見学者も多く成功であったと
思います。特に伊藤秋夫さんのトンボやチョウの作品は、子ども達の人気がありました。来年参
加するとしたら、なるべく早い時期に計画を立て、準備できたらと思います。
・エコフェスタの開催は 1 日(実際は半日くらいか)であるが、状況等が許されるなら、2 日
間くらいの開催にできないだろうか。準備等を考えると、非常にもったいないように思われる。
エントランス |
森づくり講習会[10月30日 (日) 茅野市/森づくり部会共催]
会場および時間 吉田山 市民の森 8:30〜15:00
参加者人数 11 名(会員)
事業内容
講師:長野県林務課 田口主査、富岡主任
「森づくり体験講座」
(1) 講習 間伐の進め方(選木、伐倒、枝払い、玉切り、禁止事項等)
(2) 講師によるチルホールを使っての伐倒実演
(3) 作業 3 班に分かれて間伐実習
感想等
・間伐実習は午前、午後、計 3 時間と時間も十分あり、各班少人数で、講師の指導の下、初心
者も経験者も大変良い経験が出来た。
・一般市民の参加が 5 人と少なかったのは残念だった。参加人数を増やす方策は今後の検討課
題である。
第 4 回森林整備作業[11月26日(土) 森づくり部会]
会場および時間 吉田山 市民の森 9:00〜15:00
参加者人数 12 名
事業内容
3 月に予定されている「きのこ菌打ち講習会」で使う間伐材としての原木を吉田山の整備作業を
通して、調達する。
感想等
・主目的が森林整備(間伐)か、きのこの原木調達かというところで、間伐する木を選定するの
に迷いがあった。やはり、全体の作業内容の説明の中でもそういった質問が出ていたので、皆、
同じ気持ちでいるんだなと感じました。
・ただ、今回は、今までと違って、間伐材が山に置き去りにされるのではなく、有効に利用され
る作業でしたので、いつもよりは、間伐材の選定や伐倒も気が楽だったような気がしました。た
だノルマ(300 本)があったので、そちらのほうがあって、きついなと感じました。ですが、い
つもよりは、はっきりした目的で行えたので、やった感はあったと思います。
第 2 回学習会[12月3日(土) 学習部会]
会場および時間 茅野市公民館 視聴覚室 13:00〜15:00
参加者人数 15 名
事業内容
長野県出前講座による「森づくり」の研修会
演題:「地球温暖化防止に向けた森づくりをどのように考え、取り組んだらよいか」
講師:長野県林務部 林業振興課主任林業専門技術員 竹内 正 氏
林政課主任企画員 宮 宣敏 氏
林政課主任 千村 広道 氏
[講演の概要]
(1) 地球温暖化防止のカギを握る森林の力―「京都議定書」の目標達成に向けた森林の役割につ
いて、資料により長野県の取り組みの説明を受ける。
(2) 長野県ふるさとの森林づくり条例に基づく「森林づくり指針」の概要
・森林づくりの基本理念 ・基本方針 ・めざす森林の姿 ・めざす森林社会 ・進め方
・「森直し」4 興し運動 人興し 森興し 木興し 村興し ・信州の森林づくりアクションプラン
について長野県の条例を基に幅広く説明を受ける。
(3) 温暖化防止に関する内容及び森林の公益的機能、多面的機能について幅広い観点で意見交換
行う。
感想等
・長野県は、105 万 5000 ha(民有林 2/3、国有林 1/3)があり、全国の森林の 4 % を有する。
地球温暖化防止林として整備していくと森林吸収量は大きなファクターになっているとの事で、
その重要性を深く理解することが大切であると思われる。
・長野県には、40〜50 年製の木が多く戦後に植林したものが中心になっている。森林整備を 25
万 ha 対象に 10 年間で取り組む計画をしている。そのために官民一体の取り組みをしていくこ
との大切さを感じる。
・県として重点地域制度を設けて、独自システムで重点的に保全を進めているとの事で、茅野市
としても市民の森の取り組みや森づくりの保全活動に結びつけることの必要性が求められると
思う。
第 3 回学習会[平成18年2月4日(土) 学習部会]
会場および時間 茅野市民館 アトリエ 13:30〜15:30
参加者人数 45 名
事業内容
講演会
演題:「森林の風致と風景」
講師:信州大学 農学部森林科学科 教授 伊藤 精晤 氏
研究員 清水 裕子 氏
[講演の概要]
(1) 森林の林内や移動形態から五感に感じるものを、森林風致と捉え、又森林の林外中遠景を視
覚的に眺めて森林風景を捉えることにより、潜在的なポテンシャルを見出すことが必要である。
この森林風致・風景から森林の利用目的と森林形態を理解し、体系化して取り組みする活動であ
る講演内容であった。
(2) 森林の風致・風景からの森林整備活動事業例として、塩尻の下西条緑の会の活動、長野県松
本入山辺の三城地区の「美ヶ原県民の森」の取り組み事例を通して風致育成の技術や考え方の説
明がなされた。
(3) 清水研究員からカラマツ林の風致育成技術の実践例と研究考察が報告される。カラマツ林の
育成方法に対する風致上の問題点と解決への提案も発表された。
感想等
・信大農学部で取り組みされている森林の研究内容(森林風致・風景の理論化)を、八ヶ岳森林
文化の会・市民の森を創る会の会員と一般市民の森林に関係する多くの方々に説明できる良い機
会だったと感じる。
・森林風致・風景から見た森林の育成と保全に対する取り組みの風致育成技術、風致施業の考え
方が示されて、その目新しさと効果に興味と関心がもたれた。また講演後の質問もその点に集中
していた。
きのこの菌打ち講習会(茅野市委託事業)[平成18年3月11日(土) 森づくり部会]
会場および時間 茅野市運動公園第二駐車場 9:00〜12:00
参加者人数 51 名(一般 41 名、会員(スタッフ)10 名)
事業内容
準備、受付、挨拶、森林文化の会の紹介、講師による講習(実演を含む)、菌打ち作業
<会員は、作業指導/補助/安全管理>
お汁粉を飲みながら交流、片付け
感想等
・初めて委託の形での開催で、申し込み受付は大変な状態だったようです。天候にも恵まれ、作
業も順調に進み、お汁粉も好評でした。また、子供連れが昨年度より増えていて、御夫婦など、
家族で来られる方が多かったような気がします。また、駒を倍以上打つ方もいて、もう少しうま
く説明ができればよかったなと思いました。
・前日の市との合同準備や当日の準備と後片付けなど会員の積極的な協力が得られ良かった。
きのこの菌打ち講習会(会員対象)[平成18年3月11日(土) 森づくり部会]
会場および時間 茅野市運動公園国際スケートセンター駐車場 13:00〜14:00
参加者人数 25 名
事業内容
原木移動、菌打ち、片付け
感想等
・和気藹々とできてよかったと思います。ただ、きのこの種類をどうするか、事前に参加者から、
意見を聞いておいたほうが良かったかなとも思いました。(しいたけの人気が高かった。)本数
は、ちょうど良かったと思います。
きのこの菌打ち講習会(緑の募金公募事業)[平成18年3月26日(日) 森づくり部会]
会場および時間 茅野市運動公園第二駐車場 9:00〜12:00
参加者人数 52 名(一般 42 名、会員(スタッフ)10 名)
事業内容
挨拶、緑の募金の説明、森林文化の会の紹介、講師による講習(実演を含む)、菌打ち作業
<会員は、作業指導/補助/安全管理>
お汁粉を飲みながら交流、片付け
感想等
・今期2回目の開催でしたが、多くの市民の皆さんにお集まりいただけて良かったと思います。
途中、ブレーカーが落ちるトラブルがあり、最初はドライバーが壊れたと考えてしまい、混乱し
たことがありました。 来年度は、注意したいと思っています。
作業班準備会の活動[年間 森づくり部会]
対象:作業班準備会登録メンバー(会員) 場所:市民の森(吉田山)
延べ参加人数:39名
内容:年間の行事以外の日に、特定の森林エリアを対象にして所定の期間計画的に
森林整備を実施する作業班を設置することを目標に、それを実現するための安全管理や企画運営力などの
諸課題を実践的に検討する段階として、今年度「作業班準備会」を森づくり部会のもとに設置し、
森づくり部会の活動と並行連携して活動した。
講習会に使用したエリア含み間伐したエリアは0.12haで茅野市より「平成17年度間伐対策事業補助金」の交付を受けた。
来年度は、作業班準備会の活動を発展させ作業班の正式立ち上げを!
2022.2.24