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7月14日、森林整備事業夏休み前の一日、現在作業をしている北コース周辺の樹木と地形地質の観察会が行われました。参加者は会員11名。
地形地質については市民の森ガイドブックの「吉田山の形成と地質」を執筆してくださった野沢さん、樹木については事務局長で森林インストラクターの井村さんに教えていただきながら、会員のみの気安さか、「ああだ、こうだ」言いながらの楽しい観察会でした。
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初めに、この市民の森は九州~四国~紀伊半島~諏訪湖に至る大断層・中央構造線とホッサマグナの西縁(糸魚川静岡構造線)の交点近くに位置し、地質は1500万年前の第三紀中新世時代の深成岩からなり、岩石は石英閃緑岩で石英、黒雲母、斜長石など様々な鉱物で構成されている。そのため、それぞれの鉱物の膨張率が異なるため崩壊しやすく、マサ化した地質であることなど、市民の森の土台についてお聞きした。 |
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①横河口~池分岐標識
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このエリアは急峻な谷を含む、一次間伐後のカラマツ林で、入口には茅野高校生による広葉樹の植林地(0.04ha)がある。これからも生徒による見守りを期待したい。
カラマツ林内にはオニグルミ、クリ、エゾエノキ、コナラ、コブシ、ホウなどの高木類、林床にはツツジ類、クサギ、アブラチャンなど種々な小高木・低木類が茂っている。エゾエノキ周辺にはオオムラサキの輪舞が見られ皆で感激した。
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ちょっと目を引くのは二本の高杉。何か意味ありげに立っている。
意味?と言えば、ここには謎の横穴がある。これは「炭焼き窯」「貯蔵庫」「古墳」等諸説あるが、今は謎のままとどめておこう。
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②池分岐右~北コース
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ここは何本かの谷を含むエリアで、謎の横穴上部谷筋にはかつて石を切り出した跡がある。谷の急斜面を雪や馬を利用して石材を引き出したと思われる。石材は、水道が敷かれる昭和30年代以前には、井戸や川の水を生活水に使用していたので、その敷石や橋などに利用されていたのではないか。 |
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北コースで特徴的な樹木はエゴノキ、ハクウンボク、北斜面を覆うように群生するコアジサイ、そして信濃の国の名にも残るシナノキの大木。シナノキはその樹皮から繊維がとれ、古来その繊維から「しな布」と呼ばれる布が作られている。
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③北コース~横河川沿い上
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このエリアはゴルフ場の痕跡(影響)がよく見られる。芝生、バンカーの砂地、雨水を貯める溜池と流す土管。この土管が埋められていた北斜面は崩れている箇所が多数あり、水が流れ出る度に崩れが広がっているようだ。そのような所には草木が生えにくい。 |
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何故北斜面に崩壊地が多いのか?北斜面は冬の凍みと春からの凍解を繰り返すことで、花崗岩質の土地ではマサ化が進み、鋸歯状地形といわれる崩壊地が連なる地形となる。
ここの樹木の特徴はアカマツの叢立と湿地系のヤシャブシ・ハンノキそしてシラカバ(倒木が多い)。
これは開発された土地や災害崩壊地に特徴的な様相で、陽が当たるようになった土地へ先駆樹種と言われる樹木が一早く飛び込み一斉に芽を出すためだ。
急傾斜や崩壊地を含むこの周辺一帯は現在事業部が環境林整備を行っています。この現状を事業部員以外の会員に見てもらい、また、森林観察学習部などの会員からは地形地質や樹木の特徴などを教えてもらうことにより、我々の主なフィールドである市民の森をより知り共有できたのではないか。そしてその共通認識が今後の活動に活かしていかれたらよいなと思いました。
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