学習会 レポート (H29年度)
月に2回実施している学習会からの情報発信レポートを連載します。
2017.5.12
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~森林を良く知ろう~
今年も学習会が始まりました。今年は、身近な里山に育つ樹木についてその生態を知ることを目標に、多くの方が参加できるよう午後の2時からと昼に開催します。
来月から、事務局だよりで毎月一種づつ、学習した樹木を紹介します。
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<使用テキスト>
「イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか」 渡辺一夫著 築地書館
「アセビは羊を中毒死させる」 渡辺一夫著 築地書館
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5月の学習項目は以下の通りでした。 |
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○5月11日 |
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進め方の説明、輪講講師決め |
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タブノキ~忍耐と堅実~ |
石田 |
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○5月25日 |
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スダジイ~その場を死守せよ~ |
担当井村j |
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シラカシ~目を覚ました野生~ |
担当中野 |
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アラカシ~逆境こそチャンス~ |
担当井村j |
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6月の学習項目 |
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○6月1日 |
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アカガシ~冬を過ごす知恵~ |
担当 野澤 |
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ヤブツバキ~競わない生き方~ |
担当 井村e |
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アカマツ~森の再生を狙う~ |
担当 定成 |
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○6月15日 |
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クリマツ~個体差で生き延びよ~ |
担当 吉江 |
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モミ~古くて悪いか~ |
担当 石田 |
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コナラ~倒れていくテイコク~ |
担当 井村j |
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2017.6.1 6.15
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コナラ ~倒れていく帝国~ 井村 淳一(会員)
●コナラ ブナ科 コナラ属
●暖温帯 落葉広葉樹 高木 樹高 約15m~25m 雌雄同株 雌雄異花 陽樹
●氷河期でも多くの群落をつくる。
・コナラが暖温帯に広がった理由の一つは、氷河期の寒さと乾燥に耐えられたから。
現在の暖温帯は最終氷河期ピーク時の冷温帯に相当、温帯性の針葉樹や落葉樹が広く覆っていた。コナラも寒さと乾燥によく耐えて針葉樹とともに多くの群落があった。
これが、その後の温暖期に分布を広げる母樹の集団になった。
●山火事を利用する。
・コナラが分布を広げる助けになったのが山火事である。(コナラは攪乱地に定着するタイプの樹木である。この攪乱地は山火事の跡であった。)コナラは太平洋側に多く分布するが、その一つは冬に乾燥するので、山火事が起きやすい。
山火事になると植生が一旦なくなるので、陰樹の常緑樹よりも明るい場所で早く成長する陽樹の落葉樹が有利になる。山火事が度重なるといつまでたっても陰樹の常緑樹に遷移が進行しない。またコナラやクヌギの樹皮は分厚く裂け目が入っていて、分厚いコルク層を形成しており、火事の時、樹幹の内側まで火が達するのを防ぐことができた。
●種子に栄養をつぎ込む
・山火事の跡地等の攪乱地に侵入するには、そこに種子が運ばれねばならない。ドングリは鳥やネズミ等の小動物に運搬され、ほとんどは動物や虫に食べられるが、一定の割合で食べ忘れられたものが発芽する。しかしこれでは如何にも効率が悪い。
・コナラは種子初産年齢が低く、10年生位から種子を付けること。2~3年周期で豊作になり安定して種子を生産すること。しかも陽樹にしては長寿で200年程生きて、長い期間種子を散布し続けることで、攪乱地での子孫を増やす確率を高めている。
●人の手を借りて広がった種
・コナラが広がったのは、自然の力だけではなく、人手によるところも大きい。
・コナラやクヌギの幹は燃やすと日持ちが良く薪や炭に適していたこと。伐採されても切り株から萌芽枝が生えてきて、短期間(萌芽枝の成長は実生からの成長より断然早い)で薪や炭に適した太さまで再生する。
・コナラやクヌギの森は伐採と再生を繰り返し長年により人が維持してきた森である。
●倒れゆく帝国
・コナラは山火事に助けられ、人に助けられて本来常緑樹になるべき場所で、長年にわたって里山を支配してきた。しかし、ここ50年雑木林の管理が滞り、伐採されることがなくなり太くなリ、萌芽能力も失い、若い世代が増える可能性はなくなる。また林床にササが繁茂しだすと他の植生は定着しにくくなる。
・温暖化の進行とともに、シラカシやアラカシの常緑樹の侵入が顕著になっている。
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<参考資料>
コナラとミズナラの違い |
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葉: |
葉の付き方は共に互生。共に先端の方が幅広く縁には大振りの鋸歯がある。
コナラは葉柄が1cm位の長さがある。
ミズナラには葉柄がなく、葉の鋸歯も大きい。 |
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生息地: |
コナラは暖温帯 標高300m~1100m位 ミズナラ冷温帯 標高 1100~1600m |
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樹皮: |
コナラの樹皮は灰黒色。縦に不規則な裂け目が入る。クヌギの方が裂け目は深い
ミズナラの樹皮は灰褐色で、縦に不規則な裂け目があるが薄片状のものが重なっていて、剥がれる。 |
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コナラ
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ミズナラ
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7月の学習項目 |
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○7月6日 |
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ヤマザクラ~もてなしの達人~ |
担当 下田 |
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ミズキ~スタートダッシュで逃げ切れ~ |
担当 本村 |
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ケヤキ~水辺に大きく育つ~ |
担当 本村 |
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○7月20日 |
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ムクノキ~陰陽に使い分ける~ |
担当 吉江 |
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イヌビワ~空き室あります~ |
担当 石田 |
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ニセアカシア~増えすぎた孫悟空~ |
担当 野澤 |
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2017.7.6 7.20
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ニセアカシア ~増えすぎた孫悟空~ 野澤 康夫(会員)
●ニセアカシア マメ科 ハリエンジュ属 落葉高木
公園に植えられる落葉樹・五月頃白い房状の花を、強い香りを放ちながら咲かせる・人気の木だが肩身の狭い思いをしている:生命力が強すぎるということからきているらしい。
●緑化に貢献:明治期に北米から輸入された外来種。
花の美しさ・大気汚染に強い⇒公園に多く植えられたが、河川で野生化
河川での野生化:山奥に植えられたニセアカシアから広がった。(公園の街路樹からではない)
⇒・砂防樹種(崩落地などに植えて緑化を行う)として山奥の崩落地に盛んに植えられた。
|⇒崩壊した斜面に根を張り安定した斜面に変える役割を担い、種子が洪水のたびに河川に流されて下流域の河原に定着して広がる。
●根粒菌との共生
砂防樹種(治山緑化として選ばれた樹木)としての特殊な能力:根に根粒菌を寄生させ、共生関係を築く。
根粒菌→ニセアカシア:根粒菌は空気中から窒素(気体)を取り込んで個体に変える特殊な能力を持ち、この窒素をニセアカシアに提供
ニセアカシア→根粒菌:糖分を提供
⇒土壌(植物が育つ窒素などの土壌養分)が少ない崩落地では樹木が育ちにくいが、共生関係により崩落地でも生育
●強い繁殖力
全国各地の河川の上流に大量に植えられ、洪水時に大量の種子が流される。
⇒強い繁殖力1.種子の多様性(・裸地で素早く発芽できるタイプ、・土中で長年休眠できるタイプ(20年以上土中に眠っていても発芽能力を失わない))、(・明るい場所と暗い場所の両方の環境に対応できる)
⇒日当たりの良い場所で極めて早く成長し、若いうちから種子をつくる。
●孫悟空の木
強い繁殖力2.根萌芽という増え方:根を横方向に伸ばし、根の途中から幹を立ち上げながら増えていくタケやササと同様で自分の分身(クローン)を作る技を持っている。ニセアカシアも根からの自分の分身(クローン)を作る技を持っている。
●孫悟空の木
環境省―「特定外来生物」の「要注意リスト」に入れている。
理由:日本固有種の生息域を侵す⇒あまりにも増えすぎてしまい、嫌われた。
「ニセアカシアいじめ」に困惑しているのが養蜂業者。国産ハチミツの約半分はニセアカシアから採取。レンゲ密に次ぐ高級品であり、ニセアカシアが伐採されれば良質なハチミツが取れなくなる。
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8月の学習項目 |
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○8月10日 |
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オニグルミ~少数精鋭~ |
担当 南波 |
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フサザクラ~7度倒れても~ |
担当 井村e |
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イヌシデ~懐の深さ~ |
担当 黒田 |
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○8月24日 |
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イヌブナ~守りに徹する~ |
担当 本村 |
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ブナ~雪に笑う~ |
担当 黒田 |
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ミズナラ~攪乱に乗じる~ |
担当 下田 |
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2017.8.10 8.24
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オニグルミ ~少数精鋭~ 南波 一郎(会員)
●オニグルミ クルミ科、クルミ属 日本原産
和グルミとも言い食用になる。
クルミ属には種々あり、食用はその一部。
食用クルミの代表例はペルシャグルミ(西洋グルミとも言う)とその変種、例えばテウチグルミ(中国原産でカシグルミとも言う)。
サワグルミ、ノグルミはクルミ科だけどクルミ属ではなく食用にならない。
●オニグルミは九州から樺太まで自生している。
鬼のように固くゴツゴツした殻で割りにくく、実も少ないが味は濃厚でクリーミー、独特の風味がありファンがいて販売もされている。
落葉高木で主に山間の川沿いに自生。花期は5-6月。風媒花、雌雄同株。
殻が固く東洋ゴムで評価されスタッドレスタイヤの素材に利用されている。
クルミ一般は脂肪、ビタミン、ミネラルと栄養価が高く縄文時代から食用とされて来た。脂肪は乾性油で木工の仕上げや油絵具の成分として使用される。
材は堅く、狂いがなくウオールナッツと呼ばれチーク、マホガニーと共に世界3大銘木に数えられえる高級材である。
●クルミ生産量:
食用クルミの世界生産量は年間140万tで中国、アメリカで80%を占め、殆どがペルシャグルミとその変種。日本への輸入も両国産が主。
日本は年間約200tで長野県(東御市が有名→道の駅「雷電くるみの里」)が80%。品種は主に信濃グルミでペルシャグルミの変種。他に東北でテウチグルミが生産されている。
日本の消費量は約3万tなので99%が輸入品。
日本原産のオニグルミの生産は同じく日本原産のヒメグルミと合わせても僅か。
●オニグルミの生態
①河原、谷斜面でよく育つ→土壌水分や湿度の高い所。 河原は洪水の度に攪乱がありオニグルミ(陽樹)に適する。成長が早く10年で10mになる。
ユグロンなる物質を出し他の植物を寄せ付けない。冬芽は乾燥に弱いので河原は適所である。
②野ネズミを利用して種散布する。
河原に多い野ネズミを種散布に利用する。硬い殻を野ネズミは割れる。貯蔵し種を食べるが食べ残しが種子散布になる。
③栄養豊富な大きな種子
野ネズミによる貯食型散布→僅かな食べ忘れに期待→数が少ないので生き残る事が重要→発芽力が強い(数年間の休眠能力、地下30cmからの発芽、芽生えを動物に食されても大きい種子故、再度発芽出来る)
④種子は大小どちらが良いか(数と大きさはトレードオフ)多くの樹木は種子を数万~数十万個つけるがオニグルミは数千個のみ。しかし個々は大きく生存率が高い→少数精鋭主義
⑤貯食型散布のリスク
食べ尽くされては意味がない。食べ残しがあるように殻の強度、胡桃の味付けにバランスが必要。
⑥保険としての水散布
殻の内側に空洞があり水に浮く。洪水時に下に流され散布される。土に埋もれても発芽出来る。祖先のバタグルミはトゲがありネズミが食わないが絶滅した。野ネズミ散布は成功したと言える。
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9月の学習項目 |
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○9月7日 |
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トチノキ~倒産しない経営哲学~ |
担当 本村 |
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ホオノキ~1億年を生き延びる~ |
担当 野澤 |
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イタヤカエデ~どこまで無駄を削れるか~ |
担当 井村e |
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○9月21日 |
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シラカバ~空を見下げる旅人~ |
担当 野澤 |
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サワグルミ~団塊の世代~ |
担当 吉江 |
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カツラ~長寿でチャンスをつかむ~ |
担当 南波 |
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2017.9.7 9.21
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トチノキ ~倒産しない経営科学~ 本村 光子(会員)
●トチノキ ムクロジ科、トチノキ属 字:栃、橡、杼
和グルミトチモチの原料として日本では大切にされてきた。トチの実は栗の実とならんでとても大きい。トチノキが大きな実をつくる陰にはさまざまな苦労と知恵が隠されている。
●にぎやかしの花
谷筋によく見られる。乾燥が苦手、適度に湿った土壌で生育がよい。沢筋の斜面に群落、または点在。トチの花は小さな花が集まった円錐形の花序で、
上向きにつく。香りと大量の蜜につられ、ハナバチが花粉を運ぶ。
蜜(多量の糖分)は樹木にとり、コストがかかり、無制限には放出できない。
→ トチノキは開花後、3日間だけ蜜を出す。4日目以降、花は蜜を出さないが、花がたくさんあることでハナバチは寄ってくる。ディスプレイ効果。
●採用試験をおこなう
花粉を運ばず、コストのかかっている蜜を盗む(盗蜜)者を防ぐ工夫→蜜の出る
3日間は花の中央に黄色い蜜標(送粉者を呼び寄せるマーカー)をつける。4日目以降は赤い蜜標をつける。
色を変えることで花粉を運ぶ虫の採用試験を行う。体毛が多く体が大きくて花粉をたくさん運べるハナバチは
2つの色を見分けられるが、 |
盗蜜者を防ぐ工夫
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盗蜜者は見分けられず、古くて蜜の出ないダミーの花(赤)に行く。→送粉者の選別
●容赦のない解雇
トチノキは個体どうしが一斉に開花し、一斉に結実する。一斉開花は受粉効率の向上、送粉者の集中。
一斉結実は豊作・凶作による捕食者の数の調整。貯食型散布の場合、種子散布者≒食害者。
必要とする捕食者の数のコントロール。
種子散布者という労働者の「雇用調整」、「解雇」
●種子の厳しい競争
トチノキの実は日本の樹木の種子として最大級。大きくなり成熟するまでには厳しい競争を勝ち抜く。結実したごく一部のみ成熟。
全部の実が生長したら親木の体力が続かないが、大量の種子が結実するのは無駄では?
理由: 1)実が虫に食われて健全に育たない。(優秀な種子の選別)
2)日当たりなどの生育条件が例年よりよい場合、たくさんの種子を生産することを狙える。
●運次第の生き残り
大きく実った種子が発芽できる確率はさらに小さい。→殆ど動物に食べられてしまう。9-10月に落下した種子はリスやネズミによって運ばれて貯蔵される。
1カ所で50個以上貯蔵されることもあるが、殆どが食べられてしまう。ごく一部が食べ忘れたり、隠した主が死んだりして発芽できる。
トチの実が大きいのは種子散布者への報酬プラス芽生えの生存率の向上のため。種子の栄養によりトチノキの実生の生長は速い。素早く生長することにより、
春先の高木が開葉する前に高さを稼いで生き残る確率を高くする。種子の栄養が多いため、地上部を昆虫などに食べられてもまた茎を伸ばすことができる。
●無駄ではない無駄
種子は多量の糖分、窒素、リンなどを含む。貯食型散布の方法は無駄の多い方法に思える。しかし、最終目的は子孫(遺伝子)の維持。
森の中で種子が成木まで育つことのできる確率はきわめて低い。だから大量の種子の生産が必要。
トチノキが絶滅せずに今日まで生きていることは子孫の存続の目的を達成し、大量の種子は無駄ではなかった。
●本能の奥にあるもの
樹木が種子を作り散布するのは本能であり、彼らの遺伝子に組み込まれているから。生物は駅伝ランナーのように遺伝情報をリレーしている。
生物にとって最も大事なのは、体=もの(死ぬもの)ではなく、遺伝情報であり、生物はこの情報を伝えて永遠に残そうとしている。
すべての生物は共通の祖先をもち、祖先から受け継いだ共通の遺伝子をもっている。とすれば、その共通の遺伝子の中に、生物(生命系統)を、
永遠に存続させようとする共通のルールがプログラムされているのかもしれない。種が分化したり、種が共存する背景には、
何らかの生物(生命系統)の「意図」が働いているかもしれない。
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10月の学習項目 |
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○10月5日 |
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シラビソ~圧倒する数の力~ |
担当 矢崎 |
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オオシラビソ~逆転の方程式~ |
担当 矢崎 |
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ヒメコマツ(ゴヨウマツ)~氷河期の落人~ |
担当 矢崎 |
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○10月19日 |
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カラマツ~荒地に輝く~ |
担当 南波 |
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ハイマツ~極限を生きる戦略~ |
担当 井村j |
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ダケカンバ~しなやかな体と心~ |
担当 定成 |
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2017.10.5 10.19
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ダケカンバ ~しなやかな生き方~ 定成 寛司(会員)
●ダケカンバ(種名)
類:バラ類 目:ブナ目 科:カバノキ科 属:カバノキ属 (高木・陽樹・落葉樹)
分布:アジア東北部、ロシア沿岸州、千島列島、朝鮮、中国東北部
日本(北海道~近畿の奈良県以北、四国の香川県を除く亜高山帯
樹高:普通は10~15m、大きいものは30mにも達する一方、森林限界近辺では低木状
*橙色の樹皮が美しい落葉樹。
*亜高山帯から高山帯に分布。
*樹はよく曲がっている。柔軟性は強さの秘訣。
●放浪する旅人 (放浪種=攪乱地を渡り歩いている)
・陽樹=耐陰は低い(コメツガ、シラビソ等に比較して)。小さなギャップができるとすぐに定着して大きく育つ。
・小さなギャップだけでなく、伐採跡地、山火事跡地など比較的広い面積の攪乱地にも見られる。
=むしろ更新しやすい場所。
●種子の強い撒布力
・翼を持った小さな種子を大量につくり風で種子を頒布(ハイマツは鳥が種子頒布)
・種子は大きく、逆に種子の数は半分程度と少ない(シラカバと比較して)
・寒い場所で生きる環境が過酷なので、撒布距離を犠牲に種子に多めの栄養を持たせる方が有利。
●周到な保険
・基本的には攪乱によって出来た明るい開けた土地に種子を頒布して定着する戦略
・複数の繁殖方法を用意=萌芽更新―森林限界に近いような厳しい環境では、実生が定着できないから―個体の寿命は300年くらいまで延びる。
●雪に耐えるしなやかな幹
・根元がJ字型に曲がっていることがよくある
―雪の圧力に応じて地を這うように曲がる能力がある ―斜面をずり落ちる雪の圧力や雪崩の衝撃に耐えられ
・ダケカンバとハイマツは住み分けをする。
ダケカンバ=雪が移動しやすい傾斜地や谷筋。
ハイマツ=移動しにくい尾根筋。
●樹形を変える能力
・強さの秘訣(その1)環境に合わせて体のサイズや形を変える能力
①背丈を小さくして幹を太くする
②根元から幹を枝分かれさせる
③地面を這うような形をとる
・強さの秘訣(その2)年齢によっても樹形を変える
森中の老木=株立ち樹形をしている。
小さなギャップに定着した若い時期には=株立ちせず単一の幹をできるだけ早く伸ばして高さを稼ぎ、高さを確保したら、株立ち用の萌芽枝を出して太らせ、複数の幹により樹冠を少しで横に広げようとする。
●ハイマツとダケカンバ
・共通点=匍匐型の樹形になることができ、耐寒性に優れている。
・相違点=ハイマツは常緑樹。ダケカンバは落葉樹。
・最大の相違点=耐陰性の違い
ハイマツ=極度の陽樹。シラビソなどの森林内(高木の下)では全く育たない。
森林限界より上の場所にしか生きられない。
ダケカンバ=陽樹とはいえ、ある程度の耐陰性があるため針葉樹林内でも、ギャップがあれば育つ。広い攪乱地だけでなく針葉樹林の中でもギャップを渡り歩きながら子孫を維持している。
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11月の学習項目 |
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○11月2日 |
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ハクサンシャクナゲ~低木の強さ~ |
担当 井村e |
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ミヤマナラ~重圧に挑む~ |
担当 下田 |
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○11月16日 |
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未定 |
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2017.11.5
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ハクサンシャクナゲ ~低木の強さ~ 井村 悦子(会員)
●ハクサンシャクナゲ(種名)
○ツツジ科ツツジ属
○常緑低木
○分布:北海道、本州(中部地方以北)、四国(石鎚山)、朝鮮
シャクナゲは、庭木としても人気があるが、山歩きのときに出会う花も美しい。
高山帯、亜高山帯では、まとまった群落に出会うことができる。
シャクナゲのほかには、寒冷地で常緑広葉樹はあまり類を見ない。
●多彩な日本のシャクナゲ
シャクナゲ類は
・ヨーロッパ、アジア、北アメリカに広く分布し、多くの種をもつ。
・日本では、キバナシャクナゲ、ハクサンシャクナゲ、アズマシャクナゲが、高山帯~亜高山帯に分布。
それより低い山地に、ホンシャクナゲ、ツクシシャクナゲ、ホソバシャクナゲが分布し、地域的に住み分け。
・シャクナゲの移動
ユーラシアから来たらしい。
日本に自生するシャクナゲには、北方から北海道をへて本州を南下したグループ(北方系)と、中国や台湾から九州を北上したグループ(南方系)の二つがある。
それらが、日本列島で出会い、さらに、さかんに種分化を繰り返してきたらしい。
●寒冷地で起こる適応
気候変動、寒冷化、乾燥化などに遭遇すると、樹木は体の構造をかえたり、生活の仕方をかえて環境の変化に耐える。→これを「適応」という。
樹木が落葉性を獲得したのも、寒さや乾燥に対する適応の一つ。
〇ネパールヒマラヤのシャクナゲの適応
ネパールヒマラヤには多くのシャクナゲが見られ、亜熱帯から高山帯(~5000m)まで分布。
シャクナゲの木材を調べると同じ種であっても標高の高い場所に分布する個体になるほど、小径の道管を持つ。
→彼らはパイプの太さを小さくして寒さに耐える方向に適応した。
春や秋に道管の中の水が凍結、融解を繰り返すと管内に気泡が発生しやすくなる。気泡は水柱を途切れさせ、水が上昇することを妨げる。小径の道管であ
れば凍結と融解が起こりにくい。
〇日本のハクサンシャクナゲの適応
<凍結対策>葉は、葉の細胞の内部の水分を脱水するなどの工夫によって、細胞内部の凍結を防ぎ、マイナス70℃まで凍結に耐えられる。
<乾燥対策>冬に葉をくるりと丸めて棒のようにして、葉の表面からの水分の蒸発を防ぐ。
●生き残るための適応
ある個体の形質(体の形や特徴)が変化し、その形質が子孫に遺伝し、かつ生存に有利ならば、その形質を持った子孫はより多く生き残り、増えていく。
新たな形質が遺伝するということは、遺伝子が変化したということ。遺伝子が変わるのは、遺伝子や染色体が変異するためで、個体の意思ではない。寒さに強い体にしようと自ら身体を鍛えて形質を変えるわけではなく、変異した遺伝子を持つ個体(変わり者)が、その後繁殖しながら増えて行けるかは、自然淘汰の力と偶然によって決まる。
環境に適応していれば生き延びる可能性が高い。
ある樹種が生き延びていることは、環境に適応した結果だが、どのように適応したのか想像しにくい形質もある。過去の現在と異なる環境で獲得した形質の「なごり」ということもある。特に不利でなければ残っている場合もある。
「物理的環境」への適応だけでなく、生物間の関係から生ずる「社会的な」適応もある。
シャクナゲが低木であるのは、「社会的な」適応の一つ。
●低木のメリット・デメリット
ハクサンシャクナゲなど亜高山帯のシャクナゲは、ハイマツ原、針葉樹の林内に生え、低木か亜高木。
<デメリット>
日当たり悪い。
デメリットを補う能力を獲得
・少ない光をうまく使って生き延びる能力を持つ。
光合成の生産量は少ないが、呼吸によるエネルギー消費を減らして、生きるための栄養確保。
・耐陰性が高く、針葉樹の下での生育でも可能。
<メリット>
体が小さいので水不足になりにくい。
林内は、風当りも弱いし、湿度も高い。
背が低ければ雪に埋もれるチャンスもある。雪に埋もれてしまえば低温、乾燥から守られる。
暗い林内にはハイマツ、ダケカンバなど競争相手の陽樹の侵入も少ない。
●常緑のメリット・デメリット
シャクナゲ 厚くてつやがある常緑の葉。
落葉樹には 生育に適さない冬に葉を落として休眠できる利点があるが、春になってから葉を展開するのに時間がかかるのが欠点でもある。生育期間の短い寒冷地では、春先の光合成で生産する栄養はばかにならない。(常緑の利点)
コスト面では、落葉樹は毎年すべての葉を作るため、葉の製造コストを短期間で回収するには、日当たりのいい場所で高い能率で光合成する能力が必要になる。
●低木が常緑である理由
寒冷地の低木は、常緑が有利。
夏(生育期間)が短い寒冷地では、ひと夏に生み出せる光合成の生産量はたかが知れている。
一方、寒冷地ではある程度寒さと乾燥に強い葉を作らなければならず、製造コストがかかる。
そのため、一度作った葉の製造コストを回収するには何年も必要とする、
→弱い光を利用するタイプの低木は、葉を何年も使う常緑が有利。
寒冷地の常緑樹の葉は、一般に寿命が長い。シラビソの葉は10年くらいもつものがある。
低木、常緑の性質は、物理的環境への適応だけでなく。生物同士の社会的な適応も重要な条件となる。
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ハクサンシャクナゲ 2009.7.12 麦草峠
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アズマシャクナゲ
2010.5.29 御泉水自然園
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キバナシャクナゲ
2007.6.16 権現岳
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12月の学習項目 |
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○12月7日 場所:ゆいわーく茅野303会議室 |
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クスノキ ~若き日の試練~ シロダモ ~日陰に生きる知恵~ |
担当 井村j |
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ヤマモモ ~助け合う関係~ ヒサカキ ~林床の闇将軍~ |
担当 野澤 |
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○12月21日 場所:ゆいわーく茅野102会議室 |
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アオキ ~住みよい場所を探して~ アセビ ~毒の波紋~ |
担当 下田 |
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ユズリハ ~パーツが守っているもの~ イヌツゲ ~他人の空似の理由~ |
担当 矢崎 |
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2017.12.7 12.21
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アセビ ~毒の波紋~ 下田 英雄(会員)
●アセビ(種名)
○ツツジ科アセビ属
○樹高:1~8m
○分布:東北南部~九州、中国
●美しい花をつける
・公園や街路によく見かける常緑の低木で、幹はねじれて曲がるのが特徴的。公園などでは1m程度の丈のものが多い。
庭木や公園樹として人気があるのは、花のおかげで、4月頃スズランのような白い小さな花を咲かせる。
・常緑樹にしては寒さに強く、乾燥にも強く、他の樹木が嫌う尾根にもよく生えている。
●強い毒を持つ
・アセビは花にも葉にも毒を持つ。漢字では「馬酔木」と書くが、葉を食べた馬が酔ったようになることからきた当て字である。
・有毒物質はグラヤノイドで、動物が食べると嘔吐や腹痛を引き起こす。重症になると四肢が麻痺し、羊が中毒死した例も知られている。
昔は葉を煎じて殺虫剤としても使われた。
・ツツジ科にはネジキやレンゲツツジなど毒をもつものが多い。ツツジの仲間はあまり大きくならないものが多く、動物に食べられやすい。
このため、食害者に対して毒をもって抵抗しているのかもしれない。
●シカに嫌われて増えていく
・有毒のアセビは、シカが競争相手の樹木を食べてくれるので、シカに助けられて繁栄している。結果的に、シカが生き残る樹木を
選択しているともいえ、植生に与える影響も大きい。
・奈良公園では人間が保護してきたシカがアセビを増やし、丹沢山地ではシカの増加とともにアセビが登山道をトンネルのように
覆っているところもある。
・また、落ち葉からは他の植物の生育を妨害する物質(アレロパシー物質)が流出するため、アセビの下には他の植物が育ちにくい。
●ネズミが食べ残して群落を維持する
・アセビの生き残りに加担する動物として野ネズミも一役買っている。ササ原の中にアセビが群落をつくっていることがあるが、
これはササが数十年(30年程度)に一度開花結実した時、それを餌とする野ネズミが大量発生し、ササの実を食べつくした後、
回りの樹木の樹皮もかじって枯らしてしまうが、毒のあるアセビだけは口にしないためである。
●アセビ毒を利用する虫
・一方、アセビの葉を好んで食べ、しかもその毒を利用している虫がいる。
・ヒョウモンエダシャク(ガの仲間)の幼虫はアセビの葉を好んで摂取し、その毒を体内に大量に蓄積していくため、鳥は敬遠してこの幼虫を食べない。
しかも、この幼虫には派手な黒班(豹紋)があり、目立たせることによって鳥に警告を発している。
・さらに成虫になっても毒が残っているため、一般のガは鳥の目を逃れて夜に活動するが、ヒョウモンエダシャクの成虫は昼間でも大手を振って飛び回っている。
アセビにとっては、ヒョウモンエダシャクは迷惑な存在だが、天敵というのは必ず現れるものである。いずれヒョウモンエダシャクのアセビ毒を解毒する鳥が出現するかもしれない。アセビは、あせらずにそれを待っているのではないだろうか。
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アセビ 2015.4.28 軽井沢
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ネジキ 2015.6.22 吉田山
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1月の学習項目 |
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○1月11日 場所:ゆいわーく茅野102会議室 |
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ウバメガシ ~海にたどりついたドングリ~ トベラ ~遠い旅に出た理由~ |
担当 本村 |
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クリ ~招かれざる客~ クヌギ ~後継者を求む~ |
担当 井村e |
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○1月25日 場所:ゆいわーく茅野102会議室 |
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エゴノキ ~生き物が集う場所~ エノキ ~なぜ葉を落とすのか~ |
担当 黒田 |
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ハリギリ ~広がるという戦略~ アカメガシワ ~彼は昔の彼ならず~ |
担当 中野 |
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2018.1.11 1.25
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ハリギリ ~広がるという戦略~ 中野 昭彦(会員)
●ハリギリ(種名) 別名:センノキ・セン
○ウコギ科ハリギリ属
○樹高:10m~20m おおきいもの 30m
○分布:日本全土に分布:北海道~沖縄
●分布の広い種
・暖温帯から冷温帯に分布する落葉高木
・ハリギリ「針桐」--主幹~枝先まで鋭い棘があり、桐の代わりに使われる。
・ヤツデのような切込みのある大きな葉
・暖温帯~冷温帯の全国的に分布する樹木はミズキ・トチノキ・ホオノキ・ハリギリなどあるが多くない。樹木は、生育に適した温度の範囲に分布する。
●寒さに強い
・樹木の分布の決定する要因:冬の寒さ
・冬の寒さ⇒①細胞内の水の凍結、②落葉樹は葉を落とす、③来春の葉、花は冬芽で越冬、④樹木は細胞内の水に糖などを混ぜて氷点を下げる
氷点の低下⇒凍結防止
・ハリギリの冬芽⇒-70℃まで耐え、最も寒さに強い樹木。同程度の耐寒性のある広葉樹:ダケカンバ・ナナカマド・ハルニレ
・ケヤキ・ブナの耐寒温度 -30℃程度、ムクノキ -15℃程度
●暑さに強い
・冷温帯の代表的な落葉広葉樹:ブナ・ミズナラ・ダケカンバ・カツラ・ナナカマドは暖温帯には殆ど見られない。
・冷温帯の樹木が暖温帯で生育に具合悪い理由(推測)
➀夏の暑さや乾燥に弱い、②暑さで呼吸量が激しく増大する、③開芽に 一定の低温を要求する、④暖地の害虫や病原菌に弱い、⑤常緑樹との競争に負ける 等が考えられる。
・ハリギリは沖縄にも分布(ミヤコダラと呼ぶ)
北海道旭川 年平均気温 6℃ 沖縄那覇 年平均気温 23℃
寒さや暑さの耐性は世代をまたいで獲得していった。
●高い移動能力
・日本中に分布した能力⇒移動(拡大)する能力
・第4紀(180万年前~現代)は、気候変動で氷期と間氷期の繰り返しで、樹木も南へ北へと移動した。約2万年前の最終氷期に樹木は多くが暖地に移動し、最終氷期が終わり暖かい後氷期になって樹木は分布を拡大している。現在も拡大中。
●ケヤキの失敗
・ケヤキは北海道にはない。北限は青森県下北半島が北端、ケヤキは津軽海峡を渡れなかった。エノキと同様に小枝ごと落ちて風で散布されるタイプで、このタイプの種子は鳥が食べないので運ばれない。
・ハリギリは、鳥が食べる液果なので津軽海峡から北海道へ上陸した。
●ハリギリは、ギャップを利用して広がる
・北海道での北上は、鳥の散布でなされた。
・ハリギリの種子は、ヤツデに似た球形の果実で鳥が散布し、翌年発芽。果肉が除去されない種子は、翌々年発芽する。
・母樹の下の落下種子は、長い休眠に入り母樹が倒れるのを待つ
・森のギャップでの更新(繁殖)に適する。
・ハリギリの稚樹の耐陰性は高い。林床で生長しながら待機する。
・ハリギリは寿命が長い、巨木になるものも見られる。
・ハリギリは森の中で優占することもなく、他の樹種と共存するタイプ
●ブナの北限とハリギリの北限はなぜ違うか
・ブナ⇒北海道全土に分布するわけでなく、渡島半島に存在、北限は黒松内低地。ブナの実ドングリは一部の鳥しか散布しない。氷期が終わってから3000年掛かって津軽海峡を渡る。渡島半島北上して、黒松内低地でストップ
・[理由] ①北限を超えると晩霜害があり、ブナは霜害に弱い。②北限を超えるとブナの生長に必要な降水量が不足する。③競争相手のミズナラに行く手を阻まれた。④黒松内低地帯の夏の暑さが厳し過ぎて、ブナは横断できない。ブナは夏の平均気温21℃を超えると生長できない。
・ハリギリは、渡島半島上陸、黒松内低地の高温も乗り越えて、晩霜害に負けず、内陸へ向かい、楽園が待っていた。
●ハリギリの楽園
・ハリギリ北海道全土に分布。黒松内低地より北・東は、北方針広混交林の植生。冷温帯と亜寒帯の境界の部分でミズナラ・シナノキ・イタヤカエデ・ハリギリの冷温帯の落葉広葉樹とエゾマツ・トドマツの亜寒帯の常緑針葉樹の混在する森。
・北海道の落葉樹は住み分け ミズナラ⇒貧栄養な場所、ハリギリ⇒肥沃な地 ハリギリ以外にシナノキ・オヒョウ・ハルニレと共存状態
・暖温帯や冷温帯の森では、耐陰性の強い常緑広葉樹ブナが優占するので、ハリギリは肩身が狭かつた。黒松内低地を超える内陸地は、常緑広葉樹もブナもいない競争相手の少ない楽園へとたどり着いた。
●広がるという戦略
・日本の落葉樹を代表するブナは雪国に美しい純林をつくる。温暖化が進行し、夏の気温が上昇し、雪が少なくなるとブナの衰退。ハリギリは、気候変動にも確実に生き残れる。子孫を維持するという観点から広がることができるのは素晴らしい戦略でないか
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2月の学習項目 |
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○2月8日 場所:ゆいわーく茅野102会議室 |
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カラスサンショウ ~食べられて進化する~ ハンノキ ~水辺の旅人~ |
担当 石田 |
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ヤシャブシ ~パイオニアの遺伝子~ フジ ~空間の魔術師~ |
担当 定成 |
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○2月22日 場所:ゆいわーく茅野102会議室 |
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スギ ~長寿は得なのか~ ヒノキ ~純木の落とし穴~ |
担当 吉田 |
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コウヤマキ ~伝統を固く守る~ イスマキ ~古くてもまだ走る車~ |
担当 吉江 |
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2018.2.8 2.22
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ハンノキ ~水辺の旅人~ 石田 豊(会員)
●ハンノキ(種名)
○カバノキ科 ハンノキ属 落葉高木
カバノキ科の樹木は、カバノキ属、ハンノキ属、クマシデ属など森林を多様に彩る樹種が多く、それらを見分けられるようになると、森林の楽しみが豊かになると思います。近縁種を葉の形や樹形で、見分けるには学習が必要です。
ハンノキ属の同定ポイントとして覚えておくと良いのは、花穂か果穂(小さな松ぼっくり)が一年中枝についていることです。
●さて、樹種による生き残り戦略を学んでいるわけですが、ハンノキの特徴は、
①陽樹で光合成生産性は高い。落葉樹ですから春に葉を出すのですが、夏までにその4割を落とし生産性の高い葉に取り換えることまでする。
②ただし成長性としての競争力は、他の樹種より劣り、森林内では育つことは少ない。
③そこで、他の樹種より圧倒的な強みになるのが、湿地に耐えられる方向に進化してきた。他の樹種では根が呼吸できなくて枯れてしまうような湿原でも、肥大皮目や、不定根により生き抜ける仕組みを持った。また、肥料分が貧しい湿原でも耐えられるように根に放線菌を寄生させて窒素分を確保したりもする。
④また小さな翼を持った種子は、多くが母樹の周辺に落ちるのだが、湿地の水の流れで広範囲に散布される。湿地や谷戸は水流によって変化しやすい環境なのだが、適した環境に辿り着く散布方法と言える。
●そうした特徴によりハンノキは、湿地帯に純林をつくり、谷戸を渡り歩いて生き延びてきた。川の下流の水持ちの良い土地は、人間の活動領域とかぶっているので、湿原やハンノキの純林は減ってきた歴史があるが、最近は耕作放棄地の谷戸などにハンノキは増えているという。
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3月の学習項目 |
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○3月8日 場所:ゆいわーく茅野102会議室 |
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カヤ ~往年のパイオニア~ イチイ ~甘い老舗の味~ |
担当 井村j |
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ツガ ~耐えるという戦略~ イブキ ~隙間を渡り歩く~ |
担当 野澤 |
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○3月14日 場所:茅野市文化センター(公民館) |
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特別講義 詳細はこちら |
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2018.3.8
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イチイ ~甘い老舗の味~ 井村 淳一(会員)
●イチイ(一位)
イチイ科イチイ属 常緑針葉樹
別名はアララギ。北海道や北東北の方言ではオンコと呼ばれ、アイヌからはクネニと呼ばれた。
●分布:本州、北海道、樺太、九州、四国、千島列島、中国東北部、朝鮮半島、ロシア沿海地方に分布。
北海道では標高の低い地域にも自然分布するが、四国や九州では山岳地帯に分布する
●特徴:雌雄異株(稀に雌雄同種がある)樹高20m程の高木 樹形は円錐形
幹の直径は50-100cm 成長は遅い
樹皮は縦に割れ目が入る
葉:濃緑色 線形で先端は尖っているが柔らかい。枝に2列にならび先端では螺旋状につく。
花:4月頃 小型の花をつけ、秋に赤い実がつく。種子:球形で、赤い多汁質の仮種皮の内側につく。
果肉は熟すと甘くておいしいが、赤い果肉を取り除くと緑色の種子が現れる。この種子はタキシンという有毒物質で食べられない。
キャラボク:イチイの変種としてキャラボク(伽羅木)がある。
本州の日本海側の秋田県真昼岳〜鳥取県伯耆大山の高山など多雪地帯に自生する。鳥取県伯耆大山の8合目近辺にあるキャラボクの群生地は天然記念物のダイセンキャラボクとして知られる。また朝鮮半島にも分布する。
●鳥が散布する種子
イチイが全国に分布するのは鳥が種子を運んだため。北海道の焼尻島にイチイの天然林がある。イチイは鳥が丸飲みできるサイズであり、果肉のみ消化し、種子を糞と一緒に落とす。
●「生き残る形」に進化する。
一般に針葉樹は鳥に種子を散布してもらう方向には進化しなかったため、イチイのように果肉に包まれた種子をつける針葉樹はめずらしい。
広葉樹等の被子植物の多くが、「子房」を膨らませて果肉を作る。「子房」は筒状のメシベの根元にあって未熟な種子を包んでいる皮であるのに対し、裸子植物は古いタイプの樹木のグループなので「子房」がない。
イチイの未熟な種子を包んでいるのは、「種皮」と言われる皮であり、赤い果肉は種皮の根元を支える「珠柄」と呼ばれる部分が大きくなり、それが成長して種子を包んだものであり、被子植物の果肉と成り立ちが異なる「仮種皮」と呼ばれる。
イチイは被子植物の果肉とは全く別の器官を使って果肉をつくっているが、できた実の形状は良く似ていて、被子植物の種子と良く似た機能を持つ。
市場では、消費者が生き残る製品を選択していくが、自然界では淘汰の力が生き残る生物の形質を決めていく。
●(コラム)毒にも薬にもなる葉
イチイの赤い仮種皮は食べられるが、種子は有毒である。タキシンという有害成分が含まれている。
(イチイの学名のタキススTaxusは英語の毒を意味するToxinの語源になったという。タキシンは種子だけでなく、葉にも含まれている。少量の葉の摂取だけで家畜が死亡した例がある)
イチイの害虫は少ないが、シロツバメエダシャクはこの毒葉を食べる。イチイを食樹にしている。
イチイの葉からは重要な抗がん剤のパクリタキセル(商品名タキソール)が採れる。
●用途
植木:耐陰性、耐寒性があり刈り込みにもよく耐えるため、日本では中部地方以北の地域で庭木や生垣に利用される。東北北部と北海道ではサカキ、ヒサカキを産しなかったため、サカキ、ヒサカキの代わりに玉串など神事に用いられる。また、神社の境内にも植えられる。
木材:岐阜県飛騨地方の一位一刀彫が知られる。また弾力性に富むことから、アイヌはイチイを狩猟用の弓を作る材料として使用した。イチイのアイヌ語名「クネニ」は、「弓の木」の意味である。
古代日本(一説には仁徳天皇の時代)では高官の用いる笏を造るのにこの木が使われた。和名のイチイ(一位)はこれに由来するという説もある。
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2018.3.14
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学習会纏めの講演会 |
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前号の事務局だよりの案内に「ピアノの弾き語り??? どんな講演会なのでしょう。」と書きましたが、始まる前まで想像できませんでした。
自己紹介がすむと、ピアノに向かい「待ちぼうけ」でスタートしました。「待ちぼうけ」の歌詞の最後は「・・・・木の根っこ」です。演奏が終わると、「木の根っこ」の話。「枯葉」の演奏後には落葉の大事さ話。こんな感じで進みました。
先生曰く、奥様が「あなたは怖い顔をしているから、ピアノで雰囲気を和らげたら」と勧められたそうです。
長年、亜高山帯の凍裂の研究をされていて、「凍裂をした樹木は可哀そう」ではなく、「凍裂を組み込んだ亜高山帯森林の巧みな生存戦略だ」というお話は、考えを新たにさせられました。
参加者が20名と盛況な纏めの会でした。 |
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ユニークな講演会だったので、参加者がどう感じたか感想一言を頂きました。
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ユニークな良い講演会でした。凍裂が世代交代の生存戦略であったという説を聞き、また一つ知識の面白さ奥深さを楽しめました。 |
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「根っこは横が大事」今までの概念が覆された! |
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コーヒーブレイク ならぬ ピアノブレイクで、むつかしい話も よく理解できました。 弾き語りでなくてよかった。 |
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「雨の日も雪の高山も行って調べて確認する」さすが学者さんと思いました。 若林さんの奥さんが言うほど怖い顔ではなかったです。 |
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「歌詞からひも解く植物の生態」との演題で講演会を持つのも面白そう |
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今までになかった、多雪、斜面という切り口で、改めて「根」の力、植物の適応力に目を見張らせられました。根曲りとはそうだったのか!と新潟のブナ林に思いを馳せました。 |
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私たちは、このような活動を通じて人と森林との新たな関係を作り出し、豊かな森林を次世代にバトンタッチしたいと願っています。