このタイトルで、事務局だより毎号に連載しています。
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2011.4.16 |
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写真はフサザクラ(房桜)です。名前は桜となっていますが、バラ科サクラ属ではなく、フサザクラ科フサザクラ属の落葉高木です。
早春に葉が出る前に枝を紅に染めます。赤いのは雄しべで花弁はありません。 |
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雌しべは雄しべの下の方に沢山ついていて、柄の長い扁平な翼を持ったタネが房のように付くそうです。
それは、また、秋のお楽しみ。 |
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亀の甲羅のような葉に気付いたのは2009年の観察会。樹種名がフサザクラと同定したのが、2010年の大木先生の樹木の観察会。
そして、今年やっと花を撮影する事ができました。
年に1回、ほんの数日のチャンスをものにできた訳です。 |
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2011.5.20 |
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しなの窯(炭焼き窯)の脇のコナシ(小梨)が咲き始めました。コナシは、ズミ(酢実)、ミツバカイドウ(三葉海棠)とも呼ばれる、バラ科 リンゴ属の植物です。ちなみに、このコナシは、秋には黄色い実が付きます。ズミの中で黄色い実がなるものは、キミズミ(黄実酢実)というそうですから、これはキミズミとも言うことになります。 |
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右の写真は25日満開の写真です。惜しいかな山での作業を終えた夕方の写真で、これが晴天、満開が重なれば豪華な花見になるはずです。 |
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2011.6.14 |
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春にはスケスケだった遊歩道の周りも、今は緑が溢れています。道の両側で真っ白な花が目立つのはウツギ(空木)です。ウツギの枝は中空で、このことから空木と名が付いたと言われています。市民の森はウツギが多く、場所によって開花時期が異なるため、まだ暫くはこの真っ白な花が楽しめます。 |
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2011.7.27 |
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頂上広場から池への道は緑のカーペット。敷きつめられたのは写真右のウツボグサに似た小さな花。これはまだ同定できていません。候補はウツボグサ、ミヤマウツボグサ。両者の違いは、花が終ってから根元から匍匐枝(地面に水平に伸びる枝)を出し、その節から根を下ろすのがウツボグサで、ミヤマウツボグサは匍匐枝を出さないそうです。観察を続けることにします。 |
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池のベンチの下には、沢山のヤゴの抜け殻が! |
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この池から、沢山のトンボが巣立っていっています。
蝉の鳴き声も煩く、まさに、夏です。 |
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2011.8.17 |
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昨年からの疑問が解決しました。春先の見通しの良い遊歩道からスイセンのような青々とした葉が観察されましたが、同定できずにいました。今年、ガイドブックを作るために市民の森に日参する過程で、春に花が咲かず6月に消えることを観察しました。それなら、8月中旬花を咲かせるキツネノカミソリではないか? 17日、確認に出かけました。咲いてます!咲いてます!当たりました。 |
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青々とした葉 2011.4.11 |
葉が消える 2011.6.7 |
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キツネノカミソリ(狐の剃刀) ヒガンバナ科 ヒガンバナ属 |
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おまけ: 帰り道、軽トラックの前を二頭のカモシカが通りました。親子連れのようです。 写真が撮れなかったのが残念です。
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2011.9.13 |
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アケボノソウ(曙草)は遠目には目立たない花ですから、見過ごして通り過ぎそうです。でも、近づいて観察して見ると、なかなか凝ったデザインです。
名前は、花冠に散らばる黄緑色の2点と黒紫色の細点を曙の星に見立てて名付けられたのだそうです。
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2年草ですから、花の咲いている株は種を落としたら枯死します。見つけたアケボノソウを移植しても1年限りです。 咲いている場所が最適地なのですから、そこで一生を送らしてあげたいものです。 アケボノソウ リンドウ科センブリ属 2年草 |
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2011.10.12 |
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この鮮やかな色の実は何の実でしょう。
一瞬、実だけ見ては名前が出てきませんでした。
葉、そして右端に見える対生の刺。
なーんだ、サンショウですよ。
イメージ的には、サンショウの実は黒い。赤い時期があるのですね。
サンショウ(山椒)
ミカン科 サンショウ属 落葉低木
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市民の森は実りの秋。瑠璃色のサワフタギの実、真っ赤なアオハダの実、握りこぶしのようなコブシの実、など、など。色、形、みな個性的です。
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市民の森入口のカーブ手前の道路左側に看板が設置されました。これで、始めての方も分かりやすくなりました。 |
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2011.11.13 |
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高校生の体験学習で池の畔にベンチが作られました。美しい紅葉が池に映るのが望める絶好の場所に設置されました。市民の森を訪れる人々の憩いの場所になるでしょう。 |
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市民の森のあちこちで薄茶のボンボンを沢山見かけます。これはセンボンヤリです。 秋に沢山立つ花茎を槍に見立てて千本槍と命名されたそうです。市民の森でもこの槍が林立します。真ん丸のボンボンは綿毛のパラシュートをつけたタネの集まりで、熟すと風に乗って旅立ちます。
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センボンヤリの花は2型あり、春に白い小さな花をつけ、秋には閉鎖花(花が開かず自家受粉して種ができる)をつけます。写真は閉鎖花の種です。
センボンヤリ キク科 センボンヤリ属 多年草 |
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2011.12.18 |
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市民の森は11月15日から狩猟期間に入り、観察は中断していますが、森林整備事業部の集材、測量などの作業は続いています。そんな一日、作業の合間に撮った写真を頂きました。 |
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池は薄氷が張り、静かな雰囲気が感じられます。
今年は、冬芽の観察、けものたちの足跡を捜しに、森に観察に入りたいと計画中です。
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2012.1.26 |
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今年度の市民の森の観察結果を纏めてみました。 |
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分類 |
今年度確認種 |
累計種 |
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木本 |
20 |
129 |
草本 |
19 |
209 |
シダ |
6 |
15 |
菌類 |
2 |
10 |
獣 |
0 |
6 |
鳥 |
2 |
51 |
両生類 |
0 |
5 |
爬虫類 |
1 |
6 |
甲殻類 |
0 |
1 |
蝶類 |
2 |
67 |
蛾類 |
6 |
8 |
トンボ類 |
0 |
10 |
甲虫類 |
1 |
8 |
カメムシ類 |
3 |
6 |
蝉 |
0 |
3 |
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動物、昆虫の生態観察はまだまだ不十分です。この分野に興味のある方の協力が必要です。
動植物の生息状況の動向は、我々の進めている森づくりのバロメーターでもあります。一緒に観察をして下さる方、ご協力をお待ちしております。 |
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今、市民の森は! こぼれ話 |
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今年はガイドブックの材料集めのため市民の森での観察が多くなりましたし、また、見る観点も変わりました。そしていろいろな発見がありました。その一部を紹介します。 |
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○クリの木の一年 |
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芽ぶきの頃 |
→ 盛夏の頃 |
→ そして落葉の頃 |
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2012.2.14 |
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夜半に雪がやみ、晴れるというので、ガイドブックの続き、冬を見ておこうと市民の森に行ってみました。 見慣れた駐車場も霧が出てなかなか幻想的な景色です。雪面は、動物の足跡、鳥が飛び立った羽跡、なかなか雄弁に森の営みを語ってくれます。 コブシの芽も春はまだまだのようです。 |
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駐車場の四阿 |
沢沿いの小径 |
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コブシ(辛夷) モクレン科 モクレン属 落葉高木 |
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2012.3.19 |
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狩猟期間が終った19日、市民の森に入りました。
森は静かです。葉が落ちた樹木の間からは景色もスッキリ見えます。ガイドブック製作過程で散策路に命名して頂いたコース名の看板も設置されました。
いよいよ、ガイドブックの成果が試される季節です。
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