活動実績報告


森林文化学習会[4月25日 森林観察学習部会]

〜森林文明の変遷を通して人と森林の関わりを学ぶ〜
森林に囲まれて生活している諏訪圏の市民として、森林と人との関りを理解し、私達の生活圏の今後をより豊かなものにしてゆく指針を学びます。
日  時 4月25日(日)午後2時〜午後4時 20100725学習会
場  所 茅野市文化センター 学習室
講  師 中堀 謙二先生(信州大学農学部 講師)
参 加 者 16名 (別に資料のみ3名)
5回シリーズ第1回目の学習会が、参加者16名(一般参加5名)で行われました。
今回は「気候変動と地球生命の歴史」です。大陸の移動に伴い変動する気候、それに伴い誕生、消滅する生命の歴史、植物の植生の変遷を学びました。
質疑の時間も数回設けられ、疑問を気軽にその場で解決できる雰囲気で進められました。
次回(9月12日)は、「気候差と東西文明、農耕文明への影響」で、いよいよ人間が登場します。
途中からの参加も、1回のみの参加も可能です。大勢の皆さんの参加をお待ちしています。

学習会レジメ

 

第1回 気候変動と地球生命の歴史 信州大学農学部  中堀謙二
1. 地質年代表
2. 46億年前〜
生命の誕生
光合成生物(シアノバクテリア)水中に誕生・・・酸素を発生し水中の物質を酸化
鉄鉱床の形成
石灰岩の形成
大気圏に酸素漏出
酸素濃度の歴史
二酸化炭素の歴史
オゾン層の形成と生命の上陸
3. 古生代   5.7億年前〜  上陸した植物
4. 中生代   2.45億年前〜  恐竜の時代と恐竜時代の終焉
5. 新生代(第三紀)0.65億年前〜  哺乳類の時代
(1) 温暖な古第三紀
(2) 寒冷化する新第三紀
(3) 寒冷化の原因は大陸移動に伴い海流系の変化にある
環赤道海流の消滅
環極地海流の出現
6. 新生代(第四紀)170万年前〜
(1) 300万年前のパナマ海峡閉鎖より寒暖の振幅が増大する
(2) 規則性を増し、特に70万年前以降振幅が大きく、10万年の周期が現れる
(3) この周期性は地球が太陽の周囲を回転する時の公転軌道(10万年周期)、地軸傾斜角(4.1万年周期)、歳差(2.3万年周期)の変化から生じる(ミランコビッチサイクル)。
(4) (4)ヒマラヤ隆起による影響説がある
(5) ミランコビッチサイクルで変動する要素
気温変動・二酸化炭素濃度・メタン濃度など
南極の氷床含有大気の分析から、二酸化炭素濃度は過去40万年間は180ppm-280p の間で振動している。
現在は人間活動により排出された二酸化炭素の増加で386ppmに増加している
7. 古第三紀から新第三紀の植生変化
第三紀 第四紀
スギ科 マツ科
温帯性植物 寒冷気候に適応
8. 大型植物化石と花粉化石から日本列島の植物の変遷をみる
300万年間の近畿地方の大型植物化石の変遷
寒冷期と温暖期の植物の対応
9. ミランコビッチサイクルに対応して植生は変遷する

参加者の声

一般参加 池田 啓子

学習会に参加して

 学習室に入って「気候変動と地球生命の歴史」というタイトルを見て、心の中でにっこりしました。今春から「地球46億年の歴史を学ぶのだ!」と、関連の本を読み始めていました。
 さて現在、尖石考古館・史跡探訪サークルで年に2回だが、井戸尻のやり方で土器を作っている。普通の粘土と火山灰という土の違いによって、野焼きの時間・薪の使用量に違いが出る。井戸尻考古館では火山灰の土を使用し、2〜3時間で焼きあがる。他は粘土を使うので7〜8時間、薪も多く使う。以前、尖石で野焼きをしていた時、「こんなに薪を使っていたら、森が無くなる!」と思った。
 中堀先生のお話では、「縄文中期は長野県が日本列島の中でも人口が多かった」そうだが、この頃の八ヶ岳西南麓の森は豊かだったのだろうか?2回目以降が楽しみです。

一般参加 池田 啓子


5回を通してのアンケート

2010.7.25