月例観察会  (H28年度)


  毎月1回の、市民の森を散策し、楽しみながら、生態観察をしよう! という会です。
観察結果は、市民の森を散策される方への情報発信と、樹木の名札掛けをします。
今年は、各人テーマを持って、「森の楽しみ方」を見つけます。


2016.4.19 

 今年は、例年にない暖かさで、芽吹き、開花、すべて一週間以上早く感じます。ガイドブックに掲載された 4月の花々、5月始めの花々が観察出来ました。
 今年度で月例観察会も5年目を迎え、5年生、4年生で下見会を結成して本番の観察会のメンバーと2班編成にしました。下見会のメンバーで都合の つく方は本番のお手伝い(下級生への説明など)をして頂き、より充実した観察会を目指しています。
 今年の新人さんは、4名(初日は都合により2名)、22名のメンバーでスタートします。
 4月の観察会は、月例の観察会の合い間にも市民の森に来ていただけるよう、コース案内ということで頂上、池、を巡り一周しました。
 この時期は、葉の出る前の木々の枝ぶり、樹種による葉の出方の違いなどを観察します。今年は例年になく6種のスミレが開花していました。 スミレひとつをとっても、それぞれの種が微妙に開花時期が異なります。この時期にこの顔ぶれは、矢張り今年は早めのようです。
 池では、ゲンゴロウを観察し、後日メンバーの間で、最近のゲンゴロウの状況、昔のゲンゴロウにまつわる話などがメールで交換され、 皆で作る観察会が実現できてきたと、嬉しく感じました。

 昼食時には、自己紹介の時間を取りましたが、冬眠明けで話が貯まっていたのか、身の上話、畑談義などで長くなり、予想以上の時間が掛り、終了時間が遅れるという事態になりました。次回からは、予定通りに終了するよう努めます。

観察会風景
観察会風景

タチツボスミレ ニオイタチツボスミレ アカネスミレ
タチツボスミレ ニオイタチツボスミレ アカネスミレ
アケボノスミレ マルバスミレ ヒゴスミレ
アケボノスミレ マルバスミレ ヒゴスミレ

月例観察会  4月の掲示(PDF:558KB) 


2016.4.19 

 今月の狙いは、ちょうど花の時期にあるズミとエゾノコリンゴ、 ウワミズザクラとイヌザクラの比較観察としました。コースはそれぞれがちょうど並んで立っている場所が ある北コースとしました。もう一つの狙いは頂上広場でのキバネツノトンボ。毎年、この時期に頂上広場で大発生します。
 5月10日の下見会は雨上がりでしたが、予定のコースの安全性、観察動植物の確認ができました。 しかし、キバネツノトンボはまだのようでした。
 本番の5月17日は、下見日と同じく9時ごろには雨が止むとの予報だったので、5月の花が一斉に 咲き揃っているこの時期の市民の森を見てほしいと思い、集合時間に雨が降っていても決行としました。 しかし、集合した時間には、雨は大降り、気温は低く快方の見通しも立たないため、急遽、事務所での座学に切り替えました。
 事務所では、下見会、15日の春の散策会等の写真を見ながら、一番の花の季節の市民の森をを画像で味わってもらいました。
 今年の5月の市民の森は本当に花盛り。今まで気付かなかった場所でアオダモの花、こんなにあったかと驚くほどの ウワミズザクラなど、大賑わいでした。それを見てほしく決行としたのですが、天気は制御できませんでした。

 それでも、お昼ごろには雨も止みましたので、事務所で昼食をとり、希望者、スタッフ11名で午後3時間ほど市民の森 頂上付近の観察をしました。 狙いとしていた頂上広場でのキバネツノトンボは、15日の春の観察会のときには発生していたのですが、雨上がりのためか、出会うことはできませんでした。この時期にしか観察できませんから、今年の新人さんは残念ながら、来年まで出会いはお預けになります。

観察会風景
観察会風景

ベニバナイチヤクソウ マムシグサの葉の展開に注目 下見会のとき満開だったアオダモ
ベニバナイチヤクソウ マムシグサの葉の展開に注目 下見会のとき満開だったアオダモ

月例観察会  5月の掲示(PDF:644KB) 


2016.6.21 

  今年度は、上級生による下見会(第2火曜日)、本番観察会(第3火曜日)で実施していますが、この季節、2回天候に恵まれることは難しい。今回も前回と同じく、下見会は雨の合間に実施できましたが、本番は朝から雨でした。

下見会の風景
下見会の風景

 前回の経験から、早々に当会事務所での座学に切り替え、下見会のときに撮った写真を見ながら皆さんが知っていることを披露するなど、お茶を飲みながら、ワイワイと楽しく学習(?)しました。今年から、雨の場合は急遽、座学に切り替える会場として事務所が使えるので、中止にすることなく大変助かります。
 雨が止んだ午後には、市民の森に移動し、下見会で観察したポイントを効率よく巡り、イケマにいるアサギマダラの幼虫、アワブキにいるスミナガシの幼虫を観察できたのが、皆さん今日一番の感動だったとの感想でした。
 頂上への道脇のアワブキにいたスミナガシの幼虫は、手が届く範囲だけでも、5頭の幼虫を見つけたので、羽化時期の8月まで観察を継続予定です。
 見頃だった花はコアジサイ、ネジキ、ウツギ。雨があがり日が差すと、てきめんにチョウが飛び、午後半日の野外観察は有意義でした。

アワブキの葉の先に スミナガシの幼虫 ネジキ
アワブキの葉の先に スミナガシの幼虫 ネジキ

月例観察会  6月の掲示(PDF:569KB) 


2016.7.19 

  5月、6月と雨で、午後2時間ほどの観察でしたが、やっと晴れに当たりました。 湿って風の通らない蒸し暑い谷筋は早めに進み、風の通る木陰を選びながらの観察でした。 木陰でのランチタイムには、下見会で沢山収穫できたニガイチゴでKKさんが手間を惜しまず作ったジャムの試食会。「ちょっと苦みがあるかな?」程度で、ニガイチゴの名は可哀想です。

ランチタイム風景
ランチタイム風景

 今月のトピックは、蝶のスミナガシの5齢幼虫で、その仮面を被ったような顔にびっくりでした。次回8月の観察会には、墨を流したような模様の蝶が飛翔するのをぜひ見てみたいものです。

スミナガシ5齢幼虫 幼虫の顔 イワガラミ
スミナガシ5齢幼虫 幼虫の顔 イワガラミ

月例観察会  7月の掲示(PDF:558KB) 


2016.8.16 

 今月は暑い時期なので、観察を沢沿いの小径と頂上付近に限って、 のんびり、じっくりの観察にしました。
 今回はゲートから駐車場までの道が非常に荒れていたのでゲート前集合として、車の底が低く、力のない車の方は、 走行に問題のなさそうな車に分乗して駐車場に進みました。

昆虫の話
昆虫の話

  そして、8月は、子供たちは夏休み。お子さん、お孫さんがいらっしゃる方は、一人では家を出難い。それじゃあ、 連れていらっしゃい。家族連れの参加OKにしました。参加されたお孫さん(4歳児)は大人たちの中で飽きてしまうのでは と心配だったのですが、虫取り網を渡したら、俄然元気に蝶を追いかけたり、次々に虫を観察し、最後まで興味が 途切れませんでした。

網を渡したら元気百倍
網を渡したら元気百倍

 そろそろ、ゲンノショウコ、ヌスビトハギ、オトコエシなど秋の花も咲きだし、夏も終わりに近いことを感じました。

復活した八ヶ岳のビューポイント
復活した八ヶ岳のビューポイント

オニヤンマ
オニヤンマ

スミナガシの卵 サンコタケ コマツナギ
スミナガシの卵 サンコタケ コマツナギ

月例観察会  8月の掲示(PDF:580KB) 


2016.9.20 

 今月は下見会13日予定を雨のため14日に実施し、20日の本番に備えましたが、 20日は台風で雨の予報。午後も雨の予報なので、前日に現地観察は中止で事務所での座学に切り替えました。
 今年は、これまでに雨のため午前中座学、午後観察が2回もありました。過去4年間こんなに雨にたたられた年はありませんでした。 今年だけてあって欲しいものです。
 今回はゲートから駐車場までの道が非常に荒れていたのでゲート前集合として、車の底が低く、力のない車の方は、 走行に問題のなさそうな車に分乗して駐車場に進みました。
 今回は、久しぶりに駐車場から山頂コース、中央コース、南コースの一周コースの予定でした。 下見では、秋の花 ツリフネソウ、キバナアキギリ、タデ科の花 ミズヒキ、ミゾソバ、イヌタデ、ハナタデなどが勢ぞろい。 アケボノソウも名前の由来の明け方の月に例えられた蜜腺にアブが止まり、まさに、蜜が出ているのを実感できました。
 頂上付近のアワブキの樹上には、まだ沢山のスミナガシの幼虫も観察できました。
 20日には、下見会で撮影した写真をプロジェクターで写し、過去の観察記録なども交えながら、植物、昆虫など広い話題で 議論(おしゃべり?)しました。
 昨年、事務所が移転し広い会議室を取ることが出来ましたので、雨の場合の切り替えが容易になり、飲食の制限もないので、 お茶を飲みながらの座学が可能になり、非常に助かっています。11月の観察終了後の纏め会も事務所で実施予定です。 

ツリフネソウ イヌタデ キバナアキギリ
ツリフネソウ キバナアキギリ イヌタデ
カラハナソウの実はホップみたい ツルニンジン(ジイソブ) アケボノソウにハナアブ
カラハナソウの実はホップみたい ツルニンジン(ジイソブ) アケボノソウにハナアブ
スミナガシ幼虫 スミナガシ幼虫
スミナガシ 左:脱皮したばかりの5齢幼虫 右:5齢幼虫

月例観察会  9月の掲示(PDF:687KB) 


2016.10.18 

 年間を通じて月例の観察会をしていると、いろいろと心配 ごとがあります。その一つが、雨の心配。今年は、開催一週間前から天気予報と睨めっこでハラハラ の月が多かった。しかし、今回はその心配がない珍しい月でした。
 フィールドに出ると、今度はもう一つの心配ごと。

観察風景

 この観察会は、あっちで虫を観察する人、こっちでタネを観察する人、 皆さん興味のあるものをじっくり観察するのでなかなか進まず、3時に終わる ことができるかハラハラです。今回も30分オーバーしてしまいました。しかし、やはり皆さん フィールドに出て観察できたのを喜んでいらっしゃいました。
 今回の観察ルートは、沢沿いの小径→山頂コース→中央コース→南コースの一周コースにしました。 今年は半日という月が多く、一周コースは初めてという新人さんがいらっしゃいました。
 先月まで沢山いたスミナガシの幼虫は影も形もなく、どこかで蛹になっているはずですが、発見 できませんでした。しかし、オオムラサキの幼虫は確認できました。まだ葉の上にいましたが、 葉が落ち始めたら、根元に移動し幼虫で越冬するはずです。
 中央コースのビューポイントの右手遠くに見事に黄葉する樹木を見つけ確認してみるとカツラでした。 今の時期だからこそ黄葉が目立ち見つけられました。市民の森にはまだまだ沢山の立派な樹木、 観察していない樹種が存在するのでしょう。それらに出会うのを楽しみに観察を継続していきます。

これが蛾? イカリモンガ 
これが蛾? イカリモンガ 
リュウノウギク カツラ カツラ
リュウノウギク カツラ 周辺は甘い香りが漂う
シロヨメナ クサギの果実 ツルリンドウの果実
シロヨメナ クサギの果実 ツルリンドウの果実

月例観察会  10月の掲示(PDF:621KB) 


2016.11.8 

<下見会>
 11月4日を予定していたのですが、雨が予想されたので11月1日に前倒しで 実施しました。前回、頂上コース、中央コース、南コースでしたので、今回は頂上スタートで 北コース、南コースとしました。

<観察会>
 最終回は絶対フィールドを廻りたいとの祈念が通じたか、まずまずの天気。 午後に雨マークがついていましたが3時まで予定通りの観察ができました。
 今回は、動植物の冬越しの戦略を観察、実を楽しむなどをポイントにしました。
 トピックの一つは、5月の観察で不明としていた灌木に実が付いていて、カマツカと 判明しました。分かってみるとその独特な紅葉の特徴から、いつも通っている沢沿いの 小径に沢山あることが分かりました。来年は是非花を観察したいと思います。
 もう一つのトピックは、最近、スミナガシの幼虫騒ぎでご無沙汰していたオオムラサキ の冬支度です。エゾエノキの葉が落ち始めた今、枝から冬越しのための根元に移動中の 幼虫を観察できました。幹を移動中の幼虫はまだ緑色が残っていますが幹に下りた幼虫は、 落ち葉と同じ枯れ葉色です。この辺の変貌のメカニズムはどうなっているのでしょう。 来年までの宿題としておきます。
 今年度は、オープンされていないコースを歩くときにはヘルメット着用にしました。 夏は暑い、頭が重い、色々感想はありましたが、安全が第一です。

<まとめ会>
 11月15日 事務所で実施しました。
 今年のちょっとお勉強は、野鳥を野澤進之輔先生をお招きして画像とお話を楽しみました。  来年は野澤先生に一緒に回って頂きたいという要望もあり、是非実現したいものです。
 お茶タイムには、出口さんに制作を依頼したケーキ、メンバーからの差し入れ、 お土産など、楽しみ、全員の感想を伺い締めくくりました。

何か味を確認してますね。
何か味を確認してますね。
5月に見つけた不明木 実はカマツカ カマツカ独特の紅葉
5月に見つけた不明木 実はカマツカ カマツカ独特の紅葉
ツルリンドウの実 キリの来年の花芽 カツラの落ち葉 甘い香り
ツルリンドウの実 キリの来年の花芽 カツラの落ち葉 甘い香り
木を下降中の幼虫 根元に下りた幼虫
木を下降中の幼虫 根元に下りた幼虫

月例観察会  11月の掲示(PDF:695KB) 

2016.5.4