R01年度 事業計画・報告

月例観察会  (R01年度)


毎月1回の、市民の森を散策し、楽しみながら、生態観察をしよう! という会です。
観察結果は、市民の森を散策される方への情報発信と、樹木の名札掛けをします。
今年発行されたガイドブック2「森を楽しむ」も携えて、今年も、各人テーマを持って、「森の楽しみ方」を見つけます。


2019.4.16

市民の森ガイドブック発行を契機に、一般の方にも呼び掛けて開始した月例観察会も、今年で8年目がスタートしました。
当日はとても暖かい日で、成虫越冬したキタテハ、エルタテハなど8種の蝶も飛び、幸先の良い第一回目になりました。しかし、昨年の記録と比較してみると、スミレなど花の開花が1,2週間遅いように感じました。

第一回目のコースは、第一駐車場→(沢沿いの小径)→水車小屋→(頂上コース)→頂上→(中央コース)→池→(南コース)→第一駐車場の予定でしたが、いつものことながら観察に時間がとられ、お昼までに池にはたどり着けず、昼食は頂上広場になりました。

昼食後、陽だまりに輪になり、今年一年お付き合いするメンバーの自己紹介を行いましたが、暖かいせいかのんびり話に華が咲き、またまた予定が狂い、頂上から先へは進まず、同じコースを復習しながら第一駐車場まで戻ることになりました。

年8回の開催では、色々ありますが、臨機応変に楽しめる観察会にしていきたいと思います。

輪になって

ダンコウバイ
ダンコウバイ

フサザクラ
フサザクラ

キタテハ
キタテハ

テングチョウ
テングチョウ

月例観察会  4月の掲示(PDF:665KB) 


2019.5.21

21日は生憎、前日から大雨。午後から止むという予報でしたので、午前中は事務所での座学に切り替え待ちました。しかし、お昼までに晴れませんでしたので、観察は中止にしました。
4月の観察会の時には枯野野原だった森が、5月に入るとあっという間に緑に覆われ、花が咲き、蝶が飛びます。この時期にメンバーに是非観てほしかったので、大変残念です。せめて、写真を見て味わってもらおうという座学です。
ここでは、そのほんの一部を紹介します。
次回6月は、是非晴れてほしいものです。

輪になって

ヒオドシチョウ 5.2
ヒオドシチョウ 5.2

モンキチョウ♀ 5.15
モンキチョウ♀ 5.15

ベニシジミ 5.15
ベニシジミ 5.15

キバネツノトンボ 5.17
キバネツノトンボ 5.17

月例観察会  5月の掲示(PDF:858KB) 


2019.6.11

一週間前から天気予報は雨続きの真っただ中。5月に続き6月も座学かと覚悟して準備をしていました。しかし、前日に一転し、9時から14時に雨マークが消えました。
当日は太陽も顔を出し、蝶も飛ぶという絶好の観察日和。このような好天を想定せず、昆虫担当のスタッフが昆虫網を用意していませんでしたので、捕虫しての観察は出来ませんでしたが、飛び交う蝶を「アッ、アッ」と目で追い、動体視力検査となりました。
逆に、蝶の飛び方の特徴、止まり方、止まった時の翅の動かし方など、自然な姿の観察に注目できました。
コースは、横河口→砂防提→横河口→せせらぎコース→南コース→池(昼食)→東コース→横川口。歩く距離は3km程。所要時間は5時間で14時に終了しました。夕方から雨になりましたから、幸運な晴れ間だったようです。
今回は、移住して2年というご夫婦が一日参加され、また、自然観察好きの仲間が増えました。

この観察会は自然の中の動植物の観察だけでなく、その動植物観察に右往左往する人間模様も面白いという感想もあります。なるほど、俯瞰してみれば、我々も自然の一部にしか過ぎないですね。

輪になって
ゲンゴロウが浮いてくるのを待つメンバー

ニガキ発見
ニガキ発見

ニガキ発見
ニガキの特徴ある雌花

ハンショウヅル
数年ぶりの観察ハンショウヅル

アヤメ
アヤメの季節

ウツギ
ウツギ 花盛り

イチモンジチョウ
イチモンジチョウ

アサギマダラ
今年もアサギマダラの卵

毛虫
おー!毛虫だー!

月例観察会  6月の掲示(PDF:639KB) 


2019.7.16

朝7時、雨が降っています。私は山に住んでいるので、里はどうかと矢崎さんに電話し「雨が降っている」。残念ですが、座学に切り替えました。
今年は2回目の座学なので、もし雨なら「昆虫入門」をテーマの座学にすることにしていました。
ガイドブック2のP38~49「虫を観察しよう」を馬場さん、矢崎さんに解説してもらいました。こんな風にじっくりガイドブックを読んでいくと、「ガイドブックは良く出来ているね」との感想も頂きました。そうです。良く出来ています。皆さんも是非一度、じっくり読んでみてください。
この日に備えて、下見は9日に実施しました。今回のコースは沢沿いの小径を観察し、車に分乗し頂上へ。その後、北コースをキササゲの花を観察し、シナノキの花を観て頂上へ戻る。を予定していました。
キササゲ、シナノキ共に蕾が沢山ついていて、本番では花が楽しめるはずでしたが、残念でした。 下の写真は下見の時に観察したものです。
8月は晴れますように。

ドクダミ(毒溜・毒痛)
ドクダミ(毒溜・毒痛)

ヤマアジサイ(山紫陽花)
ヤマアジサイ(山紫陽花)

ノアザミ(野薊)
ノアザミ(野薊)

サワギク(沢菊)
サワギク(沢菊)

キササゲ(木大角豆)蕾
キササゲ(木大角豆)蕾

シナノキ(科の木)の蕾
シナノキ(科の木)の蕾

スイカズラ(忍冬)
スイカズラ(忍冬)

ヤマホタルブクロ(山蛍袋)
ヤマホタルブクロ(山蛍袋)

月例観察会  7月の掲示(PDF:736KB) 


2019.8.20

またまた雨に悩まされました。8月は暑さを考慮して午前中のみのコースとして横河口⇔(東コース)⇔池を予定していましたが、天気がもたず、それも完歩できず、11時頃に終了することになりました。
コースは短めでしたが、その割には、内容は充実していたという皆さんの感想でした。
観察植物では、昨年山頂コースで観察したヤマジノホトトギスと別種のヤマホトトギスが初観察、シデシャジンは2016年以来の観察でした。また、ノリウツギにしては装飾花が多く園芸種を疑いたくなるアジサイの仲間もありました。
雨の合間の貴重な晴れ間だったので、チョウも飛び、写真の他に、大型のカラスアゲハ、オオムラサキも観察しました。オオムラサキは鳥かと間違えるスピードで飛び、「おー、おー」と歓声が上がりました。
下見の時に、市民の森では初観察のヒメヤブラン、ハシカグサなどを見つけていましたが、本番ではそこまで行けず、皆さんでの観察が出来なかったのは残念です。
次回は雨の心配がない秋晴れでありますように。

ノリウツギかな?
ノリウツギかな?

ナンバンハコベ
ナンバンハコベ

ヤマホトトギス
ヤマホトトギス

マタタビの実
マタタビの実

ツバメシジミ♂
ツバメシジミ♂

ヒメウラナミジャノメ
ヒメウラナミジャノメ

カマキリの終齢幼虫 
カマキリの終齢幼虫

ジャノメチョウ♂
ジャノメチョウ♂

月例観察会  8月の掲示(PDF:564KB) 


2019.9.17

久しぶりに雨の心配もなく、安心して全工程を実施できました。
今回は頂上まで車で移動し、中央コースを下り池で昼食をとり、東コースを駐車場へ戻るルートにしました。このルートはガイドブックのコースタイムを合計すると2時間半くらいで回れることになっていますが、月例観察会では全コース歩きでは3時までに駐車場まで戻れないので、頂上までを車を使うことにしました。
頂上手前のオオムラサキ幼虫の観察木だったエゾエノキに昨年はオオムラサキ幼虫を観察できなかったので、木の成長、まわりの環境の変化で、適地ではなくなったのではないかと心配していました。しかし、今回は複数観察でき、一安心。頂上付近のアワブキ幼木にスミナガシの幼虫も多数観察できたので、矢張り、昆虫の発生は年によって波があるのだと感じました。

オオムラサキの幼虫
オオムラサキの幼虫

スミナガシの幼虫
スミナガシの幼虫

ジャノメチョウ
ジャノメチョウ

ネキトンボ
ネキトンボ

ツルリンドウ
ツルリンドウ

シラヤマギク
シラヤマギク

アケボノソウ
アケボノソウ

ツリフネソウ
ツリフネソウ

月例観察会  9月の掲示(PDF:341KB) 



2019.9.24 <特別プログラム>

毎年1回、市民の森を出て観察を行い、植生の理解を深めようという企画です。今年は、横谷峡にしましたが、横谷峡は紅葉の時期は混雑するので、まだ葉、実がついている時期にということで9月実施としました。

23日に台風が通過するというので、風、雨がひどかったら、横谷峡は倒木、落石の心配があるので中止しようと考えていたのですが、台風の影響も少なく、朝の天気予報では雨マークもないので予定通り実施しました。
参加者は8人、横谷観音から乙女滝のある横谷峡入口まで観察しながら下りました。

鷲岩を眺める

市民の森では観察できないサワシバ、クマシデ、ハウチワカエデ、アサノハカエデ、チドリノキ、などが観察できました。
天気予報に反して、お昼前に霧雨程度の雨が降りだし、大急ぎで予定のコースを歩き終えました。降り出した時点にスマホで天気予報を見ると、雨マークが付いていたので、スタッフは逐次予報を見ておく必要を感じました。
今回、初めての横谷峡という参加者もいらっしゃったので、これを機会に、ご家族で紅葉の季節に楽しまれるとよいと思います。

ハウチワカエデ
ハウチワカエデ

アサノハカエデ
アサノハカエデ

サワグルミの実生
サワグルミの実生

フクロツチガキ(きのこです)
フクロツチガキ(きのこです)


2019.10.8

今回も雨のため座学となりました。今の時期にしか見られない植物があるので、下見の時に撮った写真を見て秋の市民の森をイメージしてもらいました。
下の写真も下見の写真です。
センブリは10月の観察会の主役です。現在、市民の森では池のほとりでしか観察できません。H27年の間伐後に下草の元気が良くなり、このセンブリは少し負け気味で心配です。
ツルリンドウの実の色は格別です。この実は諏訪教育会発行の「諏訪の植物」のブックカバーにも使われています。
アザミオオハムシのお尻(背中)を見てください。羽からお尻がはみ出しているようです。下見後に調べたところお腹に卵が詰まっているのだそうです。
ミヤマガマズミは過去頂上コースで観察し、ガイドブック2にも掲載しましたが、その後、鹿害で枝が折られ寂しい状態でした。ガマズミは沢山見かけますが、ミヤマガマズミは葉の表面に毛がなく、 ツルツルしているのが特徴と言われていますが、果柄に張りがなく実が下向きになるのも特徴と思われます。この特徴で本番で他にも発見できるかと期待していました。
こんなことを観察しながら、秋の市民の森を楽しむ予定でしたが、残念です。
次回は最終回です。晴れますように。

シロヨメナ
シロヨメナ

ツルニンジン
ツルニンジン

ツルリンドウ
ツルリンドウ

クサギ
クサギ

アザミオオハムシ
アザミオオハムシ

センブリの蕾
センブリの蕾

ミヤマガマズミの果実
ミヤマガマズミの果実

ミヤマガマズミの葉
ミヤマガマズミの葉

月例観察会  10月の掲示なし 


2019.11.5

今年の最終回は晴天に恵まれました。
今回は、沢沿いの小径を通り、南コースを池へ。池でのんびり昼食をとり、野鳥の小径を駐車場へ戻るというコースです。
今年は市民の森のどこもかしこも真っ赤な実が沢山で、こんなに沢山の赤い実をつける木があったとは思いもよりませんでした。赤い実は、野鳥を呼ぶと言われますから、野鳥たちも大喜びなのでしょうか。
例年の11月では、キノコ狩りには遅いのですが、今年はメンバーのびくはきのこが一杯でした。矢張り暖かいせいでしょうか?

のんびり昼食

びくの中身

帰りに利用した「野鳥の小径」では、ネズと、他では観察できないアサダの若木に樹木札を掛けました。
月例観察会で掛けている樹木札の板は自然木を使い、紐は木に食い込まないように、紛失しても自然に還るように自然材料を使っています。そのため、過去に掛けた樹木札も落ちたり、紛失したりが目立つようになりました。来年度は、樹木札の見直しが必要です。
来年も、市民の森の自然を楽しみながら、市民の森を訪れる方々に情報発信をしていきます。
一日参加も受け付けておりますので、お気軽に参加をご検討ください。

観察会風景

観察会風景

観察会風景

観察会風景

観察会風景

観察物

コバノガマズミ(小葉莢迷)
コバノガマズミ
(小葉莢迷)

ガマズミ(莢迷)
ガマズミ(莢迷)

カマツカ(鎌柄)
カマツカ(鎌柄)

アオハダ(青膚)
アオハダ(青膚)

マムシグサ(蝮草)
マムシグサ(蝮草)

ムラサキシキブ(紫式部)
ムラサキシキブ
(紫式部)

セアカツノカメムシ
セアカツノカメムシ

オオアオイトトンボ?
オオアオイトトンボ?

月例観察会  11月の掲示(PDF:619KB) 


2019.11.12

月例観察会まとめ会

月例観察会では、毎年まとめの会として、講師をお招きして、日頃の観察の補足をしています。今年は、例会で疎かになりがちだった野鳥の生態の理解を深めようと、野沢進之輔さんをお招きし、野沢さんがお撮りになった美しい画像を見せて頂き、その生活ぶりをお話頂きました。
メンバー以外の4名の参加もあり計16名で、野鳥の写真を見ながら、野鳥の生態を学びました。

講義風景

説明のなかで疑問に思ったことを気楽に質問しすぐに答えを頂くという和やかな会となりました。
お話は、吉田山と環境も似ている小泉山の水場に集まる野鳥の写真を中心に、生活環境の特徴、餌、渡りなど、市民の森での観察にも役立つ情報が沢山ありました。余り動き回らず、じっと野鳥が来るのを待つという観察会もありかな、と感じました。

野沢さんには、ガイドブック1に野鳥の写真を提供頂き、野鳥の観察会、山菜の観察会の講師をして頂くなど、大変お世話になっています。
その後、お身体を悪くされたと伺い、講師としてお招きするのを遠慮していたのですが、お元気になられ、また、楽しいお話を頂けるのは大変うれしいことでした。

私たちは、このような活動を通じて人と森林との新たな関係を作り出し、豊かな森林を次世代にバトンタッチしたいと願っています。