月例観察会  (H26年度)


  毎月1回の、市民の森を散策し、楽しみながら、生態観察をしよう! という会です。
今年は、一歩前進して、市民の森を散策される方への情報発信と、樹木の名札掛けをします。
情報発信は、その月の観察結果のまとめを市民の森に掲示します。


2014.4.15 

 今年度の月例観察会がスタートしました。継続メンバーも多数いらっしゃいますが、嬉しいことは、今年は若手4名+2歳児の申込みがあったことです。 「お子さんに自然のことを教えたいので」という参加申し込みの理由に感激です。お役に立てるよう1年回頑張ります。
 第1回目は、冬眠明けで体力が落ちているだろう、初めての子連は大変だろうと、せせらぎロードを選びました。駐車場から車に分乗して横河口へ。そこからのんびり池まで歩く。池で昼食。帰りは南コース。 お昼には、皆、輪になってのんびり自己紹介の時間も取れました。

観察会風景 観察会風景

 月例観察会でせせらぎロードを歩くのは初めてです。ここは、通常の散策路には1本しかないオニグルミがたくさんあります。しかも手ごろな樹高の木があり、羊の顔に見える葉痕(葉が落ちた痕)も観察できました。

テングチョウ
テングチョウ

オニグルミ
オニグルミ(鬼胡桃)

 今年も、新しい体験ができるよう、スタッフで企画していきます。

月例観察会  4月の掲示(PDF:269KB) 


特別ミーティング 2014.4.22 

 月例観察会の昨年1年間の活動を写真で振り返り、今年度の進め方の話し合いを行いました。
 そして、息抜きに市民の森の樹木の「葉・果実」「板材」を用意して樹種あてクイズを行いました。皆さん苦戦の様子でしたが楽しんで頂けたと同時に樹木を身近に感じて頂くことができたようです。エコフェスタのようなイベントでも使えそうです。

観察会風景 観察会風景

2014.5.27 

 一週間ほど前から天気予報は雨。降水確率が60%になり70%になり、その間、雨で座学切り替えに備えて会場を確保したりと翻弄されました。 結局は、備えの心構えが功をそうしてか、前日に予報は「晴」に変わり、胸をなでおろしました。 この時期の市民の森は、是非皆さんに観察してほしい一番の季節です。

 今回は頂上まで登り、頂上で昼食。中央コースを池に向かい南コースで駐車場に戻るという一番長いルートにしました。心配だった一番年少のメンバー「慶ちゃん」(もうすぐ2歳)も、途中、お母さんの背中で心地よいお昼寝をしたせいか、終始機嫌が良く、最後まで参加できました。

観察会風景

 今回の目玉は初観察のヒメハギ、宇宙人のような触角をもつキバネツノトンボです。キバネツノトンボは頂上広場でたくさん飛んでいました。過去一度も見ていないということは、飛びかう期間が短いということでしょうか。これから調べてみることにします。

ヒメハギ
ヒメハギ(姫萩)

キバネツノトンボ
キバネツノトンボ

 中央コースで森林整備事業部が立てた「この先作業路…」の看板を確認しました。これなら、迷い込む人もなくなることでしょう。ありがとうございました。

月例観察会  5月の掲示(PDF:517KB) 


2014.6.17 

 梅雨の真っ最中でも、まったく雨の心配もなく、カンカン照りでもなく、まさに絶好の観察会日和。
 今回は、梅雨時に相応しくコアジサイの群生鑑賞のため、北コースを選びました。頂上まで車に分乗して移動し、北コースを歩き、池で昼食。帰りは野鳥の小径を通り、駐車場に戻るという行程です。
 エゾエノキではオオムラサキの終齢幼虫、イケマの葉裏でアサギマダラの2齢幼虫、ハンノキの葉にミドリシジミの終齢幼虫と、幼虫たちが羽化の日のために、黙々と葉を食んでいるのが観察できました。
 樹木の キササゲ、ハクウンボク、シナノキ(同定確認中)なども初観察です。ハクウンボクは、葉を見慣れると、市民の森のあちこちに幼木があることが分かりました。沢山の真っ白な花をつける親の大木はどこにあるのでしょう。今後の調査に期待です。
 坂道を下り出したとき、「この優しい香りはなんですか?」と新人さん。香りの主はコアジサイ。「こんな優しい香りがするんだ!」新しい体験でした。
 北コースはまだオープンされていませんので案内板もありませんし、コース近くに今年度の間伐地もあるので危険です。個人での利用はしないでください。今回は、森林整備事業部と連絡を取り、安全が確保されているところに限って観察しました。


観察会風景
優しい香りが漂うコアジサイの群生

ヒメハギ
コアジサイ

キバネツノトンボ
アサギマダラ2齢幼虫

月例観察会  6月の掲示(PDF:560KB) 


2014.7.15 

 朝一番に継続観察していたオオムラサキが羽化して羽を乾かしているのを確認しました。おそらく6時頃に羽化したと思われます。早速、集合した方から観察場所に急いでもらい、飛び立つ前の成虫を観察することができました。前日に蛹が羽化するまでの期間、時間などを調べているうちに、蛹の中で何か起きているかを知りました。それを皆さんにも紹介しましたので、今日の体験が、ますます印象的なものになったようです。その話を「20日間の奇跡」として後述します。
 今回は暑い時期で無理のないよう、移動は車を使用し荷物は車に置き、身軽にして3カ所の観察地区を巡りました。
@オオムラサキ観察ツアー
オオムラサキ羽化、オニルリソウ、アサギマダラの幼虫、キバナノマツバニンジン
A24年度間伐地ツアー
 イケマ、セイヨウウツボグサ、イチヤクソウ、イチモンジチョウの蛹
B沢沿い小径ツアー
 ダイコンソウ、オオヤマサギソウ(?)、ドクダミ

 最近は芋虫、毛虫にも注目が集まり、それぞれユニークな色、形状に感心し、何に変身するのだろうと議論となり、なかなか時間通りに進行するのが難しいのですが、今回はルートが短かったせいもあり、少し早めに終了しました。


観察会風景 オオムラサキ サナギの殻

涼しい木陰でのんびり昼食

羽化して飛び立つ準備をしている成虫 と サナギの殻

月例観察会  7月の掲示(PDF:473KB) 


20日間の奇跡
 蝶が幼虫から蛹になり、じっと20日くらいの間、その蛹の中で一体何が起きているのだろう?? こんな疑問から調べてみました。
 蝶の幼虫が蛹に変身した直後から身体が溶け始め、いったんドロドロになるのだそうです。そして、改めて蝶としての身体に作り直します。例えば、幼虫の口は草を噛む口ですが、成虫は吸う口ですよね。
およそ20日の間に、サナギの内部では、驚異的な生命の営みが行われているということです。
この幼虫が熔けてドロドロに液化するのには、「ピエリシン」と呼ばれる成分が働いていることが分かってきて、それを、ガン治療に使えないか研究がおこなわれているそうです。
 子供の頃に習った昆虫の完全変態と不完全変態、覚えてますか?蛹の中で器官を作り直す過程があるものが完全変態、同じ器官で大きくなる過程で大きくなれない殻を脱皮していくものが不完全変態。
やっと 理解できたぞー!


2014.8.19 

 夏の暑さ厳しい時期は楽なルートをということで、今回のコースは、全て下りの道を選びました。
駐車場→(沢沿いの小径)→水車小屋→(南コース)→池(昼食)→(せせらぎロード)→横河口入口。
今回は、メンバー以外の一日参加の方1名。メンバーのお子さん(小2)、お孫さん(小3)の2名の参加がありました。
 今回はスタート前に少しお勉強。昆虫の分類の考え方についてメンバーの石田さんに纏めて頂き、説明して貰いました。少しは、昆虫観察の一助になるのではないかと思いますが、どうでしょう。
 前回に続き今回のトピックもオオムラサキ。池の周りを飛びかいミズキの葉の上にとまりました。また、セセラギロードのエゾエノキに卵を産み付けているところも目撃しました。
 炭焼き小屋では、ヘビの抜殻を2本も見つけ大騒ぎ。皆さん、いやだいやだと言いながらも、裏返しになった抜殻に注目していました。
 最近は、観察対象が植物に留まらず、昆虫、爬虫類、見つけた生き物すべてに広がりました。こんな観察会は他になかなかないでしょう。予定通りに進まないという難点はありますが、3年も続いている一因だと思います。


観察会風景 観察会風景

ヘビの抜殻を観察

ミヤマウズラの花を撮影

オオムラサキ

オオムラサキ飛来

月例観察会  8月の掲示(PDF:498KB) 
オオムラサキ観察日記(7.23-8.18) (PDF:446KB)



月例観察会 特別プログラム(2014.8.8)
〜子供たちと一緒にのんびり昆虫観察〜

 2歳から小6までの子供10名を含む20名の参加者があり、4名のスタッフで実施しました。
 子供たちの年齢に幅があるので、歩く距離、説明の内容など年齢に応じて対応できるよう工夫しました。
○沢沿いの小径(全員歩き)
○水車小屋→鋳物師屋口分岐(全員車)
○鋳物師屋口分岐→池(2歳、3歳の子父兄のみ車)
○昼食、昆虫レース
○池→駐車場(全員車)
 子供たち全員に、虫取り網、虫かごを用意し、取った昆虫(とは限らずサワガニなども)は観察するため虫かごに入れ、池まで進みました。
 池では昼食後に、昆虫レースを開催しました。菓子箱を利用したレース場は年上の子がゴールの旗、スタート板に昆虫の絵などを描いて飾り付けてくれました。
 そして、各自、レースに出場するために採取した昆虫を観察し、どの昆虫がレースに向いているか作戦を考え参加しました。レースは子供も大人も大騒ぎ、予想以上の盛り上がりでした。
 捕った昆虫はすべて採取した環境に近い場所に返してあげました。


観察会風景 観察会風景

どの子も昆虫採集

昆虫がいそうな場所はどんなところか?

昆虫レース

昆虫レースは大騒ぎ


2014.9.16 

 天候がやっと安定し、絶好の観察会日和。涼しくなり身体も楽になってきたので、駐車場→頂上→(中央コース)→池→(南コース)→駐車場という一周コースを歩きました。
今回は秋の季節に相応しいキク科、タデ科の植物にスポットを当てました。今見頃のキク科の植物は、ユウガギク、ヨメナ、ノコンギク、ゴマナの違いを実物を比較しながら観察しました。
もう一つのタデ科の植物は、イヌタデ(アカマンマ)、ミゾソバ、アキノウナギツカミ、タニソバが同じ場所に群れているので、特徴の比較確認ができました。
 夏場は、花も虫も避暑に出かけてしまったがごとく、観察対象が少なかったのですが、涼しくなった秋はまた戻ってきたようです。それに、キノコ。今年は例年より早いような気がします。お蔭で夕餉のジゴボウをゲットしたメンバーもいました。
 今年は、アケボノソウの当たり年(?)。市民の森のあちこちで可憐な花を咲かせています。中央コースでは見事な群生が見られました。
 もう一つびっくり発見。中央コースに真っ赤なホオズキを発見。庭先で見ることは良くありますが、山のブッシュの中に見るホオズキは少し違和感を感じます。図鑑には、「アジア原産の多年草。…人里近くでは野生状態のものもよく見られる。」と記載されていますから、野生状態なのかなあ。色々あります。


観察会風景 アケボノソウ

アケボノソウ群生の観察

アケボノソウ

オオムラサキ ホオズキ

オオムラサキの幼虫も元気

ホオズキ

月例観察会  9月の掲示(PDF:583KB) 


2014.10.21 

 下見は晴天に恵まれ、準備は整いました。 しかし、前日から雨模様で当日はどの天気予報を見ても冷たい雨という予報でした。 迷った末に開始1時間前に「雨天のため中止」のメール連絡をしました。月例観察会始まって以来、初めての中止です。
 ところが、ところが、その後その日一日、一滴の雨も降りませんでした。スタッフは天気予報能力も必要なようです。
 連絡はしたものの返信がない方もいらっしゃったので念のため市民の森で待機しました。 途中まで行ってしまった方もあったものの、市民の森にはどなたもいらっしゃいませんでした。
 月例観察会の雨天連絡はメールをお持ちの方はメールで連絡することにしています。メンバーの方は予報に 雨のマークがあったらメールを確認してから家を出るようにお願いします。
 開催されていれば、ウワミズザクラ、ミツデカエデ、ヌルデなどの紅葉、ダンコウバイの黄葉、足の踏み場もない ホオノキの落葉など、そして頂上ではリンドウの群生、中央コースではリュウノウギクの開花が観察できるはずでした。 森は日に日に変化しており、それらは今回でしか観察できないものです。中止にしたことが悔やまれる10月でした。
 次回は、いよいよ最終回です。 天候に恵まれますように。


ウワミズザクラ ホオノキ

ウワミズザクラの紅葉(当日)

ゴミかと見紛うホオノキの落葉(当日)

リンドウ リュウノウギク

リンドウ(19日)

リュウノウギク(19日)



月例観察会 特別プログラム(2014.10.26)
〜あっと驚く市民の森のアブラムシ観察会

 昨年の10月の月例観察会で見つけたトリカブトのアブラムシの同定をお願いしたことがご縁となり、 今回、その松本嘉幸先生をお招きして観察会を実施しました。マイナーな虫のせいか、嫌われ者のせいか、 参加者が5名というのは残念でしたが、少人数で濃密な観察会となりました。
 午前中は市民の森でウツギ、ヌルデ、トリカブト、アブラチャンそれぞれで生活するアブラムシを観察。 午後は、ちの地区コミュニティーセンターで学習。
○アブラムシは種類毎に寄生する植物が決まっていて、植物種それぞれにアブラムシの種がある。
○一年の大半は雌のみで生活、交尾をしないでも子供が生める、体内に次の子供がいる(一年にクローンで 何世代も世代交代する)、秋には交尾して卵を産める雌、雄を産み卵で越冬する、など、アブラムシの特殊 なくらしぶり。
○多くの子を産みアッと言う間に増えるが、天敵も多く暫くすると天敵に食べつくされ、自然環境全体で バランスが保たれている。作物も農薬を使わないでも、時期が来れば天敵が食べてくれるが、人間は待てない。 逆にアブラムシもいない作物を食べるのは危ないのではないか?
など、多くのことを学びました。
 また、観察会のテーマとしては事業としては難しいということも学びましたが、生態系を支える大事な 存在として多くの方に認知して頂けるよう今後も観察を続けます。


観察会風景 トリカブトフクレアブラムシ

事の発端となったトリカブトフクレアブラムシ↑


2014.11.11 

 今年度最後の観察日は穏やかな天気に恵まれ、落葉の森を楽しみました。 葉があるうちには目立たなかった樹種ごとに異なる枝振り、来年に向け準備されている芽、昆虫たちの冬越しの戦略にも着目し、 この時期ならではの観察をしました。
 あっと言う間に一年間の観察が終了しました。1回雨天中止がありましたが、問題もなく、皆さん怪我もなく、無事終了出来ました。 月例観察会はスタッフの他に、月例観察会支援隊と称して下見、プログラムの相談など支援して下さる方に支えられスムーズに進行できました。
 今年は、お子さん連で参加される方など若い層の参加者もあり、その方たちの要望から子供向けの特別プログラムにも取り組んでみました。 これを足掛かりに今後も若い層の参加者が増えるのを期待しています。
 今年も、市民の森を散策する人への情報提供として資料の掲示(資料のコピーを常設)、樹木の名札掛けに取り組みました。 樹木の名札は29枚掛けました。
 来年も継続します。幅広く市民の森を楽しむ方が増えるプログラムを検討し、取りいれていきたいと思います。
 会員の皆様、一度は市民の森を散策してみましょう。お待ちしております。


観察風景 クリ

ハンノキでミドリシジミの生活史の話

夏は気付かなかったクリの大木

ホザキヤドリギ

初観察のホザキヤドリギ

月例観察会  11月の掲示(PDF:593KB) 


2014.12.24 

月例観察会 トピック1 

 今回は、市民の森の樹木を特集します。
 今年も早春に、今年度の間伐地の植生調査を行いました。その時には、葉も出ない時期なので同定はできない樹種もあり、以降の継続観察で同定しました。 調査した谷筋は、他とは植生が違うようです。それは何に由来するものかはわかっていませんが、他では見かけなかった樹種が観察できました。  また、何度も通る道でも気づかずに通り過ぎていた樹木、花を初めて見た樹木など、我々が観察していたのは、ほんの一部であることを感じました。
 今年の発見の一部を紹介します。
 なお、見つけた植物は観察会の講師をお願いしている大木先生に確認をお願いしていますが、今年は、観察会が雨で中止となったため、確認はして頂いていません。何かお気づきの点がありましたら、是非お知らせください。



ネジキ(捩木) ツツジ科 ネジキ属 落葉低木

ネジキ_刮ハ4.9 ネジキ_樹皮5.20
ネジキ_葉蕾6.13 ネジキ_花6.30

 間伐地の植生調査の時に、見慣れない果実の殻を見つけました(写真4.9)。継続観察するうち、花を見てネジキと同定しました。幹が捩じれることからネジキと言われています。この尾根筋には沢山見られましたが、他のルートにはありません。紅葉も美しいと言われています。間伐により、日当たりが良くなることで、秋の紅葉を期待しています。


ハクウンボク(白雲木) エゴノキ科 エゴノキ属 落葉高木

ハクウンボク_樹皮6.6 ハクウンボク_葉6.6
ハクウンボク_花6.6 ハクウンボク_落花6.13

 ネジキの観察を続けているうちに、大きな葉(写真6.6)の木が沢山あるのに気付きました、葉、樹皮、そして花。これはハクウンボクです。 気付いてみれば、この大きな葉の幼木は、ここだけでなく北コースにも発見できました。
一週間もすると、木の根元に真っ白な絨毯を広げたていました。


シナノキ(科の木) シナノキ科 シナノキ属 落葉高木

シナノキ_樹皮5.20 シナノキ_葉5.20
シナノキ_枝6.6

 北コースで見つけました。樹高はかなり高いのですが、枝が折れ、少し弱っています。樹種決定のため、この木独特の花(葉の葉脈から花序をだす)を 期待したのですが、花を観察ことはできませんでした。来年こそ。

 この木は、ゴルフ場などに植栽されています。他では見かけませんし、 過去にゴルフ場造成で作られたフェアウェイに沿った道路脇ですから、自生か、植栽か疑問が残ります。


ヤマボウシ(山法師) ミズキ科 ミズキ属 落葉小高木

ヤマボウシ_木6.13

 これも北コース、昔のフェアウェイ脇で、白い花で気づきました。この木は、エコーラインの街路樹にも使われ、よく目にする樹木ですが、これは樹高もありかなりの大木でした。

 見かけたのは1本でしたが、子供がいるはず、来年も注目です。


ホザキヤドリギ(穂咲宿り木) ヤドリギ科 ヤドリギ属 落葉小低木

ホザキヤドリギ_果実11.5

 「沢沿いの小径」の水車小屋側出口付近に、黄色い実をつけた樹が! よく見ると、コナラに寄生したホザキヤドリギでした。常緑のヤドリギとは違い、これは落葉し秋に黄色の房状の実が付くのが特徴で

す。今の季節、市街地の街路樹の枝でも黄色の玉が付き目立ちます 見つけたのは1本ですが、ヒヨドリが実を食べに来ていましたので、増えそうな気配。要注目です。


イヌコリヤナギ(犬行李柳) ヤナギ科 ヤナギ属 落葉低木

イヌコリヤナギ_虫こぶ4.9 イヌコリヤナギ_花芽4.9
イヌコリヤナギ_花5.20

 間伐地の植生調査で、この木特有の虫こぶ(写真4.9)を見つけました。 カラマツの松傘かと間違える形状をしています。この木も不思議なことに、ここでしか見ていません。

 余り役に立たないという先人の判断で「イヌ」で始まる名がつけられたようですが、観察木としてマークしました。


サンカクヅル(三角蔓) ブドウ科 ブドウ属 落葉つる性

サンカクヅル6.30 サンカクヅル6.30

 ネジキの花を観察に出かけた時に同じ谷筋で、こんもり木を覆う蔓が花をつけているのを見つけました。サンカクヅルのようです。
図鑑には、黒く熟した黒い実は「食べられる」と書いてありますが、残念ながら実は観察していません。
ただし、図鑑に「美味しい」とは書いてありませんが。


イワガラミ(岩絡み) ユキノシタ科 イワガラミ属 落葉つる性

イワガラミ_葉9.14 イワガラミ_花柄9.14

 中央コースの道沿いのカラマツに絡んだ蔓です。間伐の時の蔓切りを免れて、緑のハート型の葉を茂らせていました。ツルアジサイと思い込んでいましたが、枯れた花の外周の装飾花の花びらが一枚です。イワガラミでした。 過去ツルアジサイと記録していたものがすべてイワガラミかどうかは検証が必要です。  つる性木本は宿主を生かすか、つる性木本を生かすか、悩ましい問題です。


アオダモ(青だも)  モクセイ科 トネリコ属 落葉高木

アオダモ_花9.14 アオダモ_葉9.14

 初観察ではありませんが、アオダモはこんな花を咲かすんです。今年の間伐地の中で、ひっそりと咲いていました。 アオダモは市民の森の各地で実生の幼木を沢山見かけますから、発芽率が良いようです。ウワミズザクラもそうですが、逆に、ハルニレはあんなに沢山実をつけて、風で飛ばしているのに、幼木を見かけないのは何故?



2015.1.28 

月例観察会 トピック2 

 昨年、市民の森のトリカブトで観察した瑠璃色のアブラムシの同定でご指導頂いた芝浦工業大学付属中学・高等学校教諭の松本先生が、月一回のペースで市民の森を訪れ観察を継続しています。
その観察に同行した矢崎さんにこの一年の観察記録とアブラムシについて纏めて頂きました。

月例観察会 アブラムシの観察(PDF:345KB) 


2015.2.28 

月例観察会 トピック3 

一年を通して市民の森に足を運ぶと、色々な昆虫との出会いもあります。相手は素早く動きますから、写真を撮れたのはごく一部ですが、出会い順に紹介します。
同定については、何分、素人集団のこと、誤りがあるかもしれません。何かご気付きの方は、事務局までお知らせください。

また、昆虫、野鳥に詳しい方、メンバーとしてご協力頂けると、より充実した観察ができると希望しております。月例観察会の募集要項は、こちらをご覧ください。お待ちしております。



テングチョウ4.15 ウスバアゲハ ♂5.17 ツマキチョウ ♂5.19
テングチョウ ウスバアゲハ ♂
(ウスバシロチョウ)
ツマキチョウ ♂

アゲハ 春型♂5.22 コミスジ5.22 キバネツノトンボ5.22
アゲハ 春型♂ コミスジ キバネツノトンボ

宇宙人のような触角にビックリ。頂上広場に大発生。1週間でパッといなくなりました。


ツバメシジミ ♂5.22 コジャノメ6.6 ヒオドシチョウ6.30
ツバメシジミ ♂ コジャノメ ヒオドシチョウ

クジャクチョウ7.6 オトシブミ7.12 ウラゴマダラシジミ7.12
クジャクチョウ オトシブミ ウラゴマダラシジミ

こんなに首(?)が長くて、どうやって葉を撒くのでしょう?


スミナガシ8.6 コムラサキ ♂8.13 ウチワヤンマ8.13
スミナガシ コムラサキ ♂ ウチワヤンマ

ほんとに、尻尾に団扇のようなものが付いていました。


ナガコガネグモ9.14
ナガコガネグモ

蜘蛛の胴体の模様は千差万別。これも特集が出来そうです。


昨年から引き続き、オオムラサキの観察も継続しましたが、 5月にイケマの葉裏にアサギマダラの卵を見つけて以来、アサギマダラの成長も楽しみに観察しました。
(下の写真は、同一個体の成長記録ではありません。市民の森のあちこちで出会った個体です。)
 5月以降、イケマの葉裏をチェックすると、結構な確率で卵を見つけることができます。 今年は注目していた蛹は羽化しませんでしたので、来年は蛹から羽化する姿を是非観察したいものです。


イケマ葉裏の卵5.27 孵化直前の卵6.13 若齢幼虫と食痕6.17
イケマ葉裏の卵 孵化直前の卵 若齢幼虫と食痕
葉裏の終齢幼虫7.12 葉裏の蛹7.12 ♀ 翅裏9.14
葉裏の終齢幼虫 葉裏の蛹 ♀ 翅裏

残念ながら、この蛹は羽化しませんでした。

2014.4.30